2017年12月13日

ひどい社会になっても労働組合は負けない

とんでもない法律が出来たり、世の中が悪くなっていくときは、法的には灰色状態の劣悪な労働環境が法改悪によってホワイトに脱色されます。

先週の土曜日、12月9日は私たちの労働組合の第6回定期大会でした。今年、2017年は2件の都労委勝利命令があり、2件の都労委和解があり、二つの新組合結成があり、振り返ってみるとなかなか前進できた年でした。組合員も増加し、大会出席者も増えました。昨年と同じ会場で大会を開催しましたが、広さがギリギリになっていて、来年はもう少し大きい会場でやらないとダメかな?なんて、希望的観測です。

労働組合というと、正社員の男性が中心で運営されているという、旧態依然としたところもありますが、私たちの組合はそもそも女性が中心。だから非正規労働者の割合も多い組合です。多摩地域という、東京でも23区内とは異なる生活中心の街での労働組合なのが私たちです。学校、病院、小売店という生活の周辺の職場で働く人たち。23区内に比べて土地代が安いということで車庫や倉庫を必要とする業種で働く人たち。暮らすことと働くことが近くにあることは、田舎ということなのかも知れませんが、とても好ましい事だと私は感じています。けれども暮らすことに近い労働の対価がなぜが安いという、世の中の不思議。多分、正社員の男性中心の労働組合よりも、平均賃金も労働条件もよくありません。ただ、その分、世の中の風を敏感に受け止めることができる労働組合になっています。

今年の大会に来賓でいらした某官公労の方が、「年功序列賃金が廃止されようとしている」と訴えていました。でもそれは、1990年代になろうとした頃に前川レポートが描いた当時の10年後の社会の話。前川レポートが描いた「自由な労働力移動」の世の中は、男女雇用均等法による母性保護の廃止で女性にも長時間労働の途を開き、労働者派遣法でアウトソーシングを進め、少数の正社員と多数の非正規雇用という使い捨て労働力市場を形成することで2000年代頭には完成しています。私はその頃すでに労働者で、労働組合にも加入し、労働争議中でしたが、「働きすぎの男性社会に女性労働力を投げこみ、労働者を雇用身分で分断する動き」が1980年代後半から先行実施されている様を肌身で感じていました。朝5時からの市場での朝売りにスカートで行き定時の17時過ぎまで働くことが、「わが社のキャリアウーマン」という言葉と引き換えに強制され、平社員の正社員でも請負業者を「使う立場」になって偉くなった気持ちになっていたりするのを知っていたからでした。労働者派遣法の施行から33年間。長時間労働で死亡する女性の労災問題が特殊な事件ではなく、正社員は派遣や契約やパートが出来ない仕事をする特殊な人にさせられようとしています。

今年、私たちの組合には、「しあわせ分会」という名前の株式会社キツタカで「請負」業者として働く労働法上の労働者の人たちの分会が出来ました。この分会は、正社員、請負、孫請けで構成されています。そして、ダブルワークをして帰宅途中に倒れてしまった母親の社会保険加入のために組合に加入した高校生がいました。今期は、他にも母親の労働相談に付き添ってきた高校生、フィールドワークで組合に話を聞きにきた高校生もいました。全て私たちからすると自然な流れなのですが、別の某官公庁で働く大会来賓の方から、「ちょっとびっくり」の組合員構成だと言われました。でもこれは、「働き方改革」「働き方革命」が描く未来の入り口です。年収850万円の人が増税され個人事業主が減税されるという事態からも、労働法の保護からこぼれ落ちる働き手を作り出そうとする国の意図がミエミエです。でも、私たち労働組合は「労働法の保護からこぼれ落とされた」ように見える働き手に、本当はこぼれ落ちていない事実を伝えていくことができますし、一緒に闘うことができます。自分は労働組合に入れないんじゃないか?と思っていても、まずは相談してみてください。以外と道が開けるかもしれませんよ。
posted by REI at 00:41| Comment(0) | TrackBack(0) | 日記

2017年11月29日

冬のボーナス査定、会社と交渉してみませんか?

今日午前中に、都労委で昨年の冬のボーナスの査定をめぐり申し立てた事件が解決しました。そして、今午後15時から、中央労働委員会で奥井組事件の期日です。和解に向かっているかに思えた奥井組事件でしたが、今日の午前中に今年の冬のボーナスの査定が不平等だという問題が勃発し、和解に暗雲が立ち込めています。

ボーナス査定、金額にするとそんなに大きな金額ではないこともよくあります。でも、労働者に落ち度がないのにマイナスの評価を付けられること自体が許せない、その気持ちはお金だけの問題じゃあないです。というのは、マイナス査定って、査定という名前の悪口だったり、査定という名前のハラスメントだったりするからです。

奥井組では以前に査定の悪い理由を「痩せているから」と言われた組合員がいました。別の組合では以前に「理由はないけれど、他の人の査定をよくするために下げた」と言われた人がいました。本日都労委で和解した事件では、他人のミスを自分の責任にされたり、上司の思い込みや好き嫌いでゼロ円になるような査定をされました。
査定をめぐる問題が、この一時金の季節には本当にたくさん出ます。そしてそれを訴える組合員はみんな、「侮辱された!」と怒っています。査定制度はその運用を一つ間違えると、人間の尊厳がお金に紐つけられる制度になってしまうのです。そして、この「好き嫌い」査定をつけた上司は、ハラスメントをした上司と同様に、人の心を傷つけた事に対して無自覚です。場合によっては、「自分の仕事だから」と言い訳をする上司もいるかもしれません。仕事だとしても、会社のシステムだとしても、働く人のモチベーションを上げるボーナス支給でかえってモチベーションを下げてしまったら逆効果ですよね。

仕事、システム、どれもがそれを命令する人がいて、それを作り上げる人がいます。だからそれは、良い方向に直すこともできれば、止めることもできることです。

ボーナスが出るかどうか、出てみないとわからない。どうしてその金額になるのか、聞いたことがない。有給休暇を取得するとボーナスが減るという噂がある、そんな時は組合に相談してください。

組合はボーナスについて、「基準内賃金×支給月数」「支給日」などの要求を出します。そして、団体交渉で「ボーナス支給のための原資総額」「支給額平均値」「平均年齢」「具体的な査定システム」について経営者から説明を受け、交渉をしていきます。そのような事を十分に説明しない会社は、労働組合法第7条2項の「誠実な団体交渉」をしていない会社、つまり法律違反をしている会社という事になります。

ボーナス、ワクワクしながら不安になりながら、ただ待つだけよりも、きちんと交渉してみませんか?


posted by REI at 18:46| Comment(0) | TrackBack(0) | 日記

2017年10月25日

有給休暇使用は、今年分から?前年分から?

労働基準法115条に「2年の消滅時効」が明記されていることから、前年度の未消化有給休暇分+今年度の付与日数が使える有給休暇日数であることは結構知られていることです。
そして、私たちが交渉で拝見する就業規則はそのほとんどが、時効は2年と記載されています。

 ところが、ある現在私たちの組合と紛争中の会社の就業規則には、「今年度分からの支給」が明記されていました。この記載は、労働者にとっては、有給取得日数によっては、前年度分の付与日数を捨てることになってしまい、不利益です。
 昭和22年12月15日基発501号など、菅野和夫著「労働法」などで労働者が不利益となるような取り扱いは認められないとなっており、「繰り越された年休」つまり前年度分の有給休暇から行使されるべきものなので、実際に有給休暇が今年度分から消化させられ、組合員が不利益を被ったら労働基準監督署に申告しようと、準備していました。
 ただ、この就業規則が誤った記載となっていた会社は、団体交渉でその誤りを認め、就業規則は今後変更すると言ってきましたので、組合としては取り組みをする必要がなくなりました。

 あの就業規則の記載は何だったんだ??と思っていた矢先、新たな事実が判明しました。それは青梅に所在する某会社の団体交渉終了後、会社側社会保険労務士さんが電話をかけてきて言った言葉でした。「社労士協会では有給休暇は今年度分からの使用をすると決まっていまる」「前年度繰越分から使用させるとは労働基準法に書いていない」「(菅野和夫さんや荒木尚志さんなど)学者が書いた本など問題にしていない」「基発があるというなら見せてもらいたい」これは全部社会保険労務士さんが言った言葉。そういえば、「今年度分から消化する」と記載された就業規則も社労士さんが作成したもの・・・。もし本当に、この青梅の会社の社労士さんが言ったように、社労士協会で、「学者が何を言ってても」「法律本文に記載されていなければ」労働者に不利になるように今年度分からの使用をさせると決めているのであれば、とんでもないことです。

 私たちの組合でも、他の組合でもそうでしょうけど、団体交渉や労働基準監督署段階で解決しない問題があり、時効が絡めば訴訟に移行します。社労士さんが言われる「学者の本」は、判例を研究した上で記載されているものです。裁判所の判断を無視して、目先の「会社の利益」を売りにすれば、行き着く先は、「会社の不利益」「労働者の不利益」です。

 東京弁護士会労働法制特別委員会編著の「新労働事件実務マニュアル」でも「繰り越された年休から行使されると解釈される」と記載してあります。

 青梅の会社の社労士さんが言うように、社会保険労務士会だけが、有給休暇使用に関して独自の見解を会社や労働者に押し付けようとしているのだとしたら、ここは労使が泥沼に入らないように、その社労士さんの見解を引っ込めてもらうようにしないといけないですね。困ったものです。
posted by REI at 19:23| Comment(0) | TrackBack(0) | 日記

2017年10月03日

権力に群がらなくとも、権利を確立しよう

7月から係争事件の書類作成が続きました。
 7月には白百合クリーニング事件の中央労働委員会で会社側が都労委命令の取り消しを求めて92ページもの補充申立をしたため、その反論書きが皮切りでした。2015年に組合が作成したyou tubeが2017年2月の行動のものだと主張していたり、時系列的にも誤りの多い書面だったのですが、反論を書かないことにはそれらを認めてしまうことになります。ここにも嘘が!なんて言いながら52ページの反論を書きました。おそらく弁護士さんが記載したのでしょうけど、社長名で出された会社側補充申立は同じ内容の時系列の間違いがなんども繰り返されていて、読むのがすごく辛かったです。時系列は資料をきちんと読めばばわかること。それを2年くらい平気で超えてしまうのは故意なのか、資料をきちんと読んで当いないからかどちらかです。嘘をついてまで、都労委命令が間違っていると言うのは人間としても如何なものかと思いますが、もし資料をきちんと見ないで記載していたのであれば、職業人としても心配ですよね。社長も弁護士さんも、もちろん組合も、嘘のないところで向かい合わなければ、何一つ前進しません。それに、今回の会社の補充書面の嘘はバレる嘘です。すぐにバレるような嘘は評価を貶めるもの。人を使う立場の人にはすぐバレる嘘はついて欲しくないですね。そんな気持ちでニュースを見ると、首相が嘘をついていました。日本はいつから首相から弁護士から、社長から、嘘つき社会になってしまったんだろう、そんな暗澹たる気持ちでした。
 そして、7月は終わり、8月から9月にかけては木村建設事件の最終陳述書作成でした。
 2015年9月に起きた木村建設解雇事件から早2年。2年越しの結審です。不当労働行為事件申立から2年と1ヶ月が経過した結審です。この事件、組合結成通知から2ヶ月で組合員全員解雇と言う事件です。しかも、その間の社長の「組合辞めるか、会社辞めるか、どっちか選べ」と言う恫喝が録音されたりしていますから、早々に命令になるとばかり当初は思っていました。ところが、会社側の引き伸ばしが延々続き、結審まで2年を超えてしまいました。昨年夏には残業代の1部が支払われましたが、解雇されたのちの生活は皆大変です。とにかく勝たないことには、解雇された組合員らが借金で生活していいますから、その借金返済すらできません。さらに、組合結成したら解雇されるような職場に働き続ける人たちも大変です。組合結成したら解雇してはいけない、と言うこの当たり前のことが当たり前になるように、どうしても勝たないといけない。そんな思いで、まとめ上げて見たら84ページにもなりました。なんとか結審も迎えることが出来、あとは勝利命令だけです!しかしまあ、この事件、代理人さんが4人も付いていまして、さらに、仕事で労働委員会に証人出席した従業員が5人、調査にも出席した従業員が4人。従業員が20数名の会社としては非常に高い比率です。費用をつぎ込んでも組合を潰したい社長と、お金持ちの社長にペコペコする人たち。これもまあ、日本の縮図ですね。
 7月8月と書面作成に追われる最中、エイコーという酒問屋さんで、暴力を伴う不当労働行為事件が発生してしまいました。労働委員会事件が解決に向かうかと思われたところだったので、非常に残念です。しかも、その証拠を残そうとしたことを持って懲戒処分までしてきました。証拠がなければ「やっていない」とこれまでも言っていたので、団体交渉で録音を残すことで合意していたのですけど。この件の追加申立10ページもようやく終わりました。小さい会社では感情がぶつかりあいやすい事もわかりますけれど、人事権という権力を使って、事実を捻じ曲げようとしたり、自分の感情を満足させようとすることは、他人の人権を踏みにじることです。それをパワーハラスメントと言いますし、労働組合憎しで行えば、不当労働行為です。

 なんだか最近の社会全体が、弱いものいじめの社会になり、権力や力がないと何も出来ないとばかりに、権力に群がろうとする人たちが目につくようになっています。権力者のわがままな解散で選挙が始まります。権力に群がらなくても、権利を確立するための声を上げていきましょう!
posted by REI at 18:41| Comment(0) | TrackBack(0) | 日記

2017年07月11日

「うちの会社もアベ政権と同じ!」と思ったら、組合作るしかないでしょ!

先週、労働相談に見えた方が頻繁に「うちの会社は本当、アベ政権と同じなんですよ」と繰り返し言われたので、すっかりそのフレーズが頭の中にこびりついてしましました。

 どういう意味かというと「お友達で役員やって」「誰も責任取らなくて」「嘘ばかり言ってごまかして」「それで、弱い立場の人をいじめるんです」ということでした。あー、そういう会社、多いよねー。と相槌を打ちましたが、今はもう日本中、そんな病気になってしまったんでしょうか・・・・。でもそれって、会社経営、危ないんじゃないの?
いじめらた人が立ち上がるのはそれは当たり前のことだけと、そんな会社でいじめられる人を見ているだけになってしまったら、その会社、未来厳しいですよね。働き続けたいと思ったら、労働組合作って反撃しようって、みんなに声かけてくださいね。と言って、その労働相談は、彼がもう一人に声をかけたのちに、再度いらっしゃることになりました。
でも本当に、これは今、危機的な話。
会社レベルでも危ない状況だし、それが日本社会全体に蔓延しているわけですから。

 私たちが子どもの頃(まあ1960年代ですよ)、「嘘はついてはいけない」「強い責任感を持たないといけない」「弱いものいじめはいけない」「弱きを助け、強きを挫く」というのが、ヒーローの条件でした。そんな優等生なんか、ケッツ!と思っても、強い者におもねる忖度なぞ、超かっこ悪いことだったはず。まあ、あんまり責任感強すぎても疲れてしまうからそこはほどほどにするとしても、やっぱり最低、政府や会社が嘘つきでは、どこに信頼関係や信義則を見出せばいいのかわからなくなってしまいます。それはやはり、様々な意味でのシステムの崩壊です。

 今現在は、無理無理のアベノミクスも公的機関の買い支えの株価が上昇で、賃金消費の伸びない横ばい回復景気が続いていますが、資本主義の原則で好景気の後ろには、不況がやってきます。労働者の労働条件を低く抑えることで、無責任経営でもなんとか景気回復期には運営されていても、不景気がやってくるとそういう会社がバタバタ行ってしまうことは、過去に何度も経験してきていることです。
 今現在で、アベ政権のような会社であったら、自らの失敗のツケを労働者にしわ寄せしてくることはこれはもう必至です。賃上げ、ボーナスが交渉議題に上がり、ボーナス払うかわりに労働者を「査定」したい会社が増えている今、労働組合を作って、交渉の準備を始めましょう。

posted by REI at 21:13| Comment(0) | TrackBack(0) | 日記

2017年07月05日

お金をかけて運用できない査定システム作って、労働者をいじめるなんて・・・E社の不当労働行為事件

今日は、中野区にある酒問屋さんの事件で、労働委員会第1回目の期日がありました。この事件、「普通」であれば、労働委員会などで争うことなく解決していて不思議でないような事件です。
 事件の概要を書くと、ざっとこんな感じです。
 昨年の4月にAさんが上司から口頭で解雇通告されました。しかし、この解雇は社会的合理性のない解雇でしたので、本人が不同意の意思表示をしたところ、即日で撤回されました。ただ、Aさんは入社からすでに3ヶ月が経過していたのですが社会保険、労働保険に加入してもらえていませんでしたし、雇用契約書を示してもらっていなかったので、働き続けることに不安を感じて、私たちの組合に加入しました。そして団体交渉を重ね、解雇撤回を確認する協定書を締結し、会社は社会保険加入、労働保険加入を速やかに進め、雇用契約書を作成し、Aさんの育児時短についても就業規則の繰り上げが合意し、一見順調に進んだかのように見えました。
 ところが、団体交渉では法律遵守に向けた回答をして来た上司は、団体交渉外ではAさんに色々と細かい嫌がらせを続けていて、Aさんは昨年年末には休業せざるを得なくなってしまいました。休業に入る1ヶ月ほど前に冬季一時金要求書を出していましたが、会社からの回答は「検討中であり、決定次第連絡します」ということでした。
 その後、今年の1月になってから会社は査定の結果0円との回答を出して来ました。査定をめぐる交渉を5月まで続けて来ましたが、会社から出される資料が、交渉後の今年になってから後付けで作成されたものが続き、誠実説明義務に違反する内容でした。また、この0円が組合差別だということで、労働組合法第7条1、2、3項目違反で本件申立に至ったものです。

不当労働行為としては、以上のような感じなんですが、答弁書、今日の調査期日でさらなる「不思議」が出て来ました。
というのも、会社が行なった査定表は、個人面談による目標管理をして査定を行うシステムなんですが、そもそも査定対象期間前に、目標面接も行われておらず、目標設定もなく、二次評価者の評価も記載されていない、いわば、活用されていない評価制度だったのです。この間の団体交渉でこのことは再三指摘して来たのですが、今回わかったのは、そもそも査定で0円にしたのではないこと、この査定システムは2015年にコンサルタントに頼んで数百万円もかけて作成したものだということです。

15人くらいの従業員数の会社ですから、査定システムが機能していなくても何の不思議もないですし、そもそも、必要なのか??というくらいのものです。
なのに、わざわざ数百万円もかけて査定システムを作り、今はすでに2017年冬季一時金の対象期間ですから2年も機能させることなく、1従業員をいじめるためにだけ、査定形式を利用するというこのすごい「無駄」と「意味のない行為」に頭がクラクラして来ます。
会社から資料として出されたコンサルタントの作成した資料を読むと、「従業員の活性化を目標とする」と書かれています。それをこんな、真逆のことに使うなんて・・・・

今回も、自主交渉で何とかまとめようとして来ましたが、会社側がとても頑なで東京都労働委員会申立という結果になってしまいました。お金をかけて、評価制度を入れて、従業員の活性化を測ろうとするその前に、そのお金があれば、労働法をまずは守る、労働基準法をまずは守る、そこから始めるのが順序です。そして、労働者が会社で働くことが、病にならないように配慮してもらえれば、パワハラなど問題はなくなります。評価制度をきちんと運用するためには、お金も時間もかかります。お金と時間をかけて従業員をいじめても、会社の利益は出ません。労働者に後付けの捏造資料を提出して平然としている姿勢は、企業としての誠実さも問われます。
最近、少しお金に余裕が出ると、労働者の賃金は上げずに、査定システムを作成しようとする会社がいくつか見受けられますが、もう少し働く人の気持ちに寄り添ってもらいたいものだと思います。

 
posted by REI at 19:21| Comment(0) | TrackBack(0) | 日記

2017年06月15日

恐ろしくて物が言えない事に慣れていませんか?

共謀罪が強行採決されてしまいました。
戦争法案同様、反対意見は聞かない、民主主義的手続きは踏みにじる、法体系の美しさなどの全く度外視。至るところにあるテレビカメラで監視をされて、メールや電話も全て筒抜けが昨日までの日本でしたが、ここに、目配せやいいねでも罪に問われる法律が完成したのです。
ジョージ・オーエルの1984年の世界が今日からの日本です。
と言っても、昨日までの世界が自由に物が言える世界であったかというと、私たちは今までも長い時間をかけて「恐ろしくて物が言えないこと」に慣れてきているように思います。

 つい先日も、山手線の車両に監視カメラがつけられましたが、それを自分たちが監視されているのではなく、痴漢や犯罪から守ってくれるいう評価もあると聞き、驚きました。痴漢や犯罪にあった時、監視カメラで見ている向こう側の人が直ちに助けに来てくる保証も約束もどこにもありません。痴漢や犯罪から身を守るのは、声を上げる自分自身であり、声を上げる自分自身を隣でサポートしてくる近隣に所在する人たちです。もし仮に、監視カメラの向こうで見ていてくる人が、痴漢や犯罪に気がついてやって来てくれたとしても、来てくれた時にはすでに被害は起きているのです。被害を防ぐのは自分自身であり、思いやりを持って、他人を助けようとする隣の人であることを忘れているのではないでしょうか。また、監視カメラがあれば、犯罪や痴漢を未然に防げるんだよという声もあるかもしれません。けれど、毅然とした態度と、人の目が注意をすれば、カメラなどよりもよほと威力があるはずなんです。
 監視カメラを、「守ってくれるもの」と勘違いしてしまうのは、「物を言えない」「声を上げれない」「毅然とした態度が取れない」自分自身だからであり、そして何よりも隣に立っている人、隣に座ってくれる人が声を上げる自分を助けてくれないという、絶望感に似た人間不信がある気がします。

 この隣の人よりも監視カメラの方が助けてくれるという感覚は、働く現場で日々起きています。有給休暇が取れない、残業代が払われない、という簡単な労働基準法違反でも、会社に要求したらどんな報復されるかわからないと、要求できずに悶々として退職後に残業代請求をする労働者がいます。本当はこんな会社、ブラックだな、おかしいな、と思っても、自分が声を上げるなんて恐ろしいし、黙っていても誰かが言ってくれるかもしれない、場合によっては労働基準監督署が査察に入ってくるかもしれないしと思い続けるうちに、ブラックな労働条件に慣れてしまい、うちの会社もまんざら悪くないって思うようになることもよくあります。でも、労働者が声を上げない言い訳をいっぱいするうちに、労働者の話を聞かない、自分だけが正しいと思い込むブラック企業の社長を育ててしまうんです。ブラック企業のワンマン社長の元で苦労するのは労働者。だけれど、ブラック企業のワンマン社長を育ててしまうのも、物を言わない労働者。

 この日本は、民主主義を破壊し、子供っぽい振る舞いも、わがままな振る舞いも恥ずかしいと思わない独裁政権を育ててしまった。でも、私たちは今、物を言わない事に慣れてしまっているだけのこと。
まだ闘えるし、社長や政権を変えることができる力を持っています。
身近な仲間や、お隣の人が、会社や上司や痴漢から嫌なことをされている時、あなたではない他の人を守るために動くことができれば、それは変えていく第一歩です。
posted by REI at 16:47| Comment(0) | TrackBack(0) | 日記

2017年05月31日

長時間労働と自己責任はどちらも病気の元

 2月から4月末にかけて、私の労働組合のお仕事では、労働委員会の審問続きでした。殊に4月は3回も審問がありましたから1ヶ月は神経が張り詰めていました。まあとっても忙しい日々でもあったので、土日もほとんど仕事でした。
 そんな訳で、5月の連休が明けて、週末に何もない土日があることの開放感と言ったらありませんでした!とっても気が楽な開放感。張り詰めていた緊張の糸がほどけた途端に、風邪菌に取り憑かれてしまい、発熱を繰り返しているうちにもう6月です。でも、この発熱、風邪は、結果として体を休養させることになり、溜め込んだ疲労物質をデトックスすることにもなりました。ただ。もし、土日も休みなしの長時間労働があと1ヶ月、2ヶ月続いたら、と考えると危険だったなあとしみじみ思います。私の仕事の場合、日常的な業務はある程度の自己裁量による労働時間の調整が可能なのですが、審問や書面作成などは全て完成させる期日が定まっていますから、こればかりは自己裁量の幅が少なくなります。体の具合がどうであろうと、作業の進捗状況がどうであろうと期日には間に合わせなければなりません。そういう仕事です。
 裁量権や自己決定権の無い、過重労働がベースに過労死や過労性疾患があることを自分自身の仕事から図らずも検証してしまいました。

 ただ一つ、最近多い心の病のケースとは決定的に違っていることがありました。
 それは、「長時間労働に成るのは自分の仕事が遅いから」「長時間労働をするのは仕事ができない人だから、それを隠すように仕事をしなければ」などという、仕事を自己責任の尺度で測る物差しがないことです。仕事量が多いから長時間労働になっている、長時間労働は自分の責任ではない、とはっきり言い切ることができるのは、心の衛生上ものすごく必要なことです。
 昨今の労働時間規制が、残業時間を短くする、早く帰ることを奨励するだけのことになっているようで、とても気になります。そもそもの仕事量が適正にされなければ、労働者の自己努力だけで労働時間を縮小しようとしたら、単なる能力論になるだけだからです。能力論は、無言の無理を強いる重圧です。できているフリ、能力のあるフリという、嘘を重ねる中で、人は病んでいきます。
 ありのままの事実を恐れずに言える職場であるかないかは、心の健康と職場の改善に不可欠です。それが出来る職場って、きっと、労働組合がある職場じゃないと無理ですよね。労働組合があっても、ありのままの事実をいう人を守ってくれる労働組合じゃないと無理ですよね。
 まかり間違っても、パワーハラスメントがある職場では絶対に無理です。だって、パワーハラスメントがあると、能力があると勘違いしている上司や経営者が、部下や労働者に向かって、「お前が残業なんかするから監督署に睨まれたじゃないか」「残業代泥棒の上に、光熱費の無駄遣いだ」なんて見当違いの罵声も付いてくる訳で、本当は残業のない適正な労働時間管理がされるはずの職場で、心の病という労働災害が発生し、残業時間が少ないから労災が業務外認定なんていう事態にだって発展してしまいそうです。

 ここ数日、心の病の相談が少し続いています。そんな時、その人たちの職場で病気になる前に労働組合があればよかったのに、といつも思います。病気になってしまいそうなうちに、組合に相談にいらしてもらえれば、病気になってからよりももっと沢山の改善に取り組むことができます。事実が言えない、能力の責任にさせられるなんてことがありましたら、病気になる前に、相談してくださいね。
posted by REI at 23:09| Comment(0) | TrackBack(0) | 日記

2017年02月18日

長時間労働を無くすためには、まず賃上げが必要です。2017春闘ガンバロー

「労働組合というと、長時間労働反対でしょ」とよく言われます。それはどういう時に言われるのかというと「残業差別反対」を訴えた時、「労働時間削減反対」を訴えた時です。

 労働時間が過労死ライン、うつ病ラインに達してしまい、労働災害の取り組みをしているときにはそんなことは言われません。
働く時間が短くなると、給料が下がるので困ると訴えたときに限っています。

 その言葉をいう人達は、経営者であり、経営側弁護士なんです。経営者が組合差別や、嫌がらせを目的として、残業差別を行い、賃金切り下げをし、その抗議を組合がすると「労働組合は長時間労働反対なんだから、残業させないのはおかしいなんて労働組合にあるまじき行為だ」というわけです。次に、言われるのは、時間給で働く労働者が全体の労働時間削のときに、月の総労働時間減少に伴い月額収入が減少することに抗議したときです。「労働組合なんだから、労働時間削減をいう立場にあるんだから、反対するのはおかしい」と。
 つまり、これらは詭弁なんです。

 労働者は生活のために、働いてお金を稼がないといけないので、働いています。生活できる賃金が必要です。低賃金で、残業をしなければ生活に必要な賃金が得られないとき、ほんとうは8時間働いたら家に帰って眠りたいけれど、頑張って働きます。働かざるを得ない。そこを逆手にとって、低賃金しか払っていない経営者が、「残業させてやらないぞ」というのです。労働者に「長時間働かせてください」と言わせてしまうこと自体、なんというアイロニー。そもそもの長時間労働をせざるを得ない原因をつくっているのは、その経営者じゃないですか。まず、賃金をあげて、8時間労働で生活ができる賃金にして、残業しなくてもいい環境を作るのが経営者の仕事です。
 私は、ここ最近の政府の働き方会議の言うところの「長時間労働撲滅」を聞くと、いつも経営側から言われる「労働組合のくせに」という責任転嫁発言を思い出してしまっています。

 この1月末に、私たちの組合の白百合クリーニング分会の労働委員会係争事件で勝利命令が出ました。いくつか争点がありましたが、「降格配置転換されなければ得ていたであろう賃金と、降格配置転換後の賃金差額の支払い」命令がでたことで私たちはホッと胸をなでおろしました。この争点、詳しくいうと、ラビット21という店舗を経営している白百合クリーニングで、店舗が開いている時間は11時間です。そこでマネージャーの仕事をしていた分会長は、職務の性質から開店から閉店まで店舗の問題に対応していました。つまり、毎日11時間労働でした。その上、週1日の休日という決まりでしたので、1週間の残業時間は最低でも3時間が5日+11時間の26時間、4週間で100時間を超える長時間労働でした。ただ、マネージャーといえども、最低賃金に少し上乗せしただけの時間給でパート労働者として働いていた分会長は、当時母子家庭で、その賃金で子供を育ててきていました。計算していただくとわかると思いますが、2017年現在の東京都の最低賃金932円で1日8時間働くと、日給は7456円。週休2日で月21日働くと156576円。1日8時間、週40時間の労働基準法に定めた労働時間では、総支給で15万円強。ここから税金、社会保険を引くと手元に入るのは10万円強です。そこから家賃を払って、食費を出して、となると、子供の養育費まで捻出するのは至難の技です。1ヶ月は大体4.3週なので、週26時間働くと割増なしでプラス10万4千円。割増賃金で計算すると13万円がプラスになります。それでも、総支給約28万円と子供を育てるにはかつかつの低賃金ではありますが、総支給15万円よりはまだなんとかなります。今回、この月10万円強の差額の支払いが東京都労働委員会から命令され、ホッとしたのも束の間、会社はこの命令に従わないということなので、まだまだ兵糧攻めが続きそうです。
 しかし、この、長時間労働ではあるけれどもそれによって生活と子育てを支えていた賃金を組合を潰すため取り上げて、会社が「法定どおりの1日8時間週40時間にしただけです」と居直ったことが、不当労働行為であると認定されたことはとっても意味のあることです。

 私たち労働組合は、決して長時間労働が良いとは思っていません。子育て中の女性が定時以下の労働時間で生活と子育てができる賃金を得ることが、組合の目標です。
 時間短縮のために、最低賃金または最低賃金プラスαの時間給で働く労働者の労働時間を、時間給のUPなく削減することは順序が逆なんです。そんなことをすれば、労働者の生活が立ちいかなくなり、ダブルワーク、トリプルワークに追いやることになる現実があります。それは、1企業内での労働時間短縮が行われても、1個人労働者の労働時間+通勤時間は短縮されるどころか増加することを意味します。1企業内の労働時間短縮により、労働者の生活時間、自由時間が縮小し、過労が促進するわけです。
 そして、厚生労働省は「働き方の未来2035」でダブルワーク、トリプルワークによって複数企業で働くはめになることを、企業から自由になると表現し、あたかも「自由な働き方」のように描いています。「長時間労働をなくそう!」という反対出来ない美しい言葉の後ろに、低賃金労働者の悲惨な生活が隠されています。企業も国も、なんて、嘘つきなんでしょう。

私たちの組合の2017年春闘統一要求提出日は来週22日です。
中小民間の賃金はなかなか上がりません。時間給で働く労働者には、最低賃金UP以外に賃金が上がったことが無いという人がたくさんいます。
定時で安心して生活できる賃金を得ることができれば、過労状態になってまで働くことを望む労働者はいません。
低賃金で我慢して要求を出さ無いことと、長時間労働を強制されて声を上げれ無いことは、実は同じ根っこです。
黙っていたら、無権利状態になってしまいます。
低賃金と長時間労働に殺されないために、しっかりと声をあげましょう。
声をあげる労働者がいれば、労働組合は一緒に頑張ります。
posted by REI at 00:22| Comment(0) | TrackBack(0) | 日記

2017年01月21日

安心して働き、休むことができる職場に、労働組合で。

今年も始まってから20日も経ってしまいました。今年こそは、ブログをもってまめに書こうとおもっていたのですが、本当の月日の経つのは早いもので。
 昨年昨年9月に膝を痛めて騙し騙し動いていたところ、10月下旬に半月板が割れてしまい、その後手術、松葉杖生活と、十分に動ききれない日々が続いてしましました。昨年中は委員長を始め、組合員の皆さんに送迎協力などをしていただき、なんとか日々を乗り切ってきた結果、1月からは松葉杖から解放されるました。まだ動きすぎると足が腫れたり、できないことがたくさんあって、完治まではあと4ヶ月かかる予定ですが、とりあえずやっと両手がふさがらなくなり、車移動ができるようになりました。
 2ヶ月半の松葉杖生活でしたが、本当に不便でした。普段何気なくしていた動作も、できなかったり、できたとしてもすごく時間がかかったり。体を悪くするとあらためて、バリアフーの必要性と、、周りの人たちに気を使ってもらう事のありがたみを感じます。ドアを開けてもらうとか、ぶつからないように注意してもらうなど、気遣いというありがたみをとても感じました。私は治癒の過程でしたが、障害を持って働く事はどんなに大変なことなのでしょう。
 そして、雇用を継続しながら治療をするということの大切さです。終身制雇用制という定年までずっと同じ会社で働き続けることが、夢物語のような今の社会の中で、体を壊したら会社を辞めなければならないと思い込まされている人が増えてます。リハビリに通っていると、「フリーになってしまったから、いつでも時間が空いてます」なんて声が聞こえてきます。
 心身ともに丈夫な時でも、転職や失職はダメージの大きなものですが、心身にダメージを持った時には、雇用不安を乗り越えることは非常に困難です。ましてや、治療中はとてもお金のかかるもの。生活の安定があってこそ、体も治っていくことができます。心身にダメージを抱えた労働者が、雇用を安定させて治療できる環境作りは、労働組合が作り上げなければならないことです。
 今年の1月1日から育児休業制度、介護休業制度が改正され、制定時点よりもだいぶ使い勝手が良くなっている感じです。ただ、この制度改善の中でも、育児休業介護休業を取得して働き続けることができる環境にある労働者と、到底考えらえない環境にいる労働者との格差がひどく広がっているように感じます。
 短期雇用契約を繰り返し、権利主張をしたら次の雇用契約が打ち切られるのが目に見えている労働者、ひどいブラック企業で有給休暇申請しただけで「首」と言われる労働者、そういう人たちは子供や親の介護どころか、自分の体を壊しただけで雇用が破壊されてしまいます。せっかくの、介護保険育児休業の改定も、使える前に雇用が打ち切られてしまっては意味がありません。改定された法律や労働条件を、「自分には関係ない」と思わざるを得ない労働者は、とっても辛い気持ちに高齢者の定義が変更され、年金がもらえる年齢が高くなることが予測される中、体を壊しても治癒が完了するまで雇用不安なく体が治せる、そんな最低限の暮らしの保証から始めようと思う、今年の始まりです。
 安心して働き、休むことができる職場を作るために、労働組合に相談にいらしてください。
posted by REI at 13:52| Comment(0) | TrackBack(0) | 日記