2015年06月24日

ブラック企業を助ける人たち

派遣法改悪が衆議院を先19日に通過してしまいました。これでまた、法的には「ブラック企業」と言われる企業が減るわけです。そして、合法の制度の中で、ずっと派遣の雇用身分で辛い思いをする労働者が増えるわけです。

厚生労働省も、労働局も、労働基準監督署も、該当労働法規違反が無ければ、指導も救済もしてくれません。
どんなにひどい扱われ方をしても、それが合法であれば、国は助けてくれません。
国家が率先して、労働者の実態からすれば「ブラックな企業」を法律を改悪して守ろうとしています。
こんな日本社会なので、自分だけ良い目を見るためにお金を稼ごうとする人たちは、「ブラック企業」であっても雇ってくれればなびこうとします。お金のためならば、職業倫理も公共心も、ましてや弱い立場の人を思いやる心など平気で投げ捨ててしまう人たち。国を挙げてそういう浅ましいお金もうけをする、そんな悲しい社会に今私たちは働いているのですね。

社会保険労務士さんたちの仕事が、社会保険や労働保険の手続きの請負仕事だけでなく、特定社労士制度ができて労使間交渉に出席できるようになってから、本来の労働法規を遵守するという立場から、クライアントである「ブラック企業」のために働く方も増えてきたように見受けられます。中には「合同労組対策」を宣伝文句にして商売をされている方もいらっしゃって、私たちのような合同労組はそういう社労士さんのお金もうけの手段にされてしまっているようで、彼らの強欲さと彼らのホームページの嘘には呆れるばかりです。
先日も創業20年、でも雇用契約書、就業規則に所定労働時間、始業、終業時間の記載の無い会社との団体交渉に特定社労士さんの事務所から2名の出席がありました。そこで労働基準法を護るべき立場にあるはずの社労士事務所のコンサルタントさんは「運輸業では、所定労働時間など決められない」と言い放ってくださいました。いやはや、これはもうモラルハザードです。そこまでして仕事が欲しいのでしょうか。痛々しい限りです。

国の上から下まで、自分のお金もうけのために人を踏みつけにし使い捨てにすることに慣れて、お金もうけ以外の規範が壊れてきています。でもこれを繰り返していくことは、決して会社のためにも、社会のためにもなりません。他人の犠牲の上に自分の生活を築いてしまったら、次は誰かの生活のために自分が犠牲になるだけのこと。

派遣法が改悪され次々と労働法制改悪が予定されている今、労働者の連帯を阻んでいるのは、労働者一人一人が自分を守るのに精一杯で職場の仲間や違う雇用身分の人を思いやる余裕を失わされていることもその要因のひとつです。自分だけを守ろうとすることが、かえって自分を窮地に追い込む結果となるという矛盾。

今、国はブラック企業を助けようとしている、これは間違いが無い事実です。そして、ブラック企業を金もうけのために弁護する弁護士さんや社労士さんたち。そんないろんな権力にまもられて、助けられているブラック企業。

労働者がブラック企業にすり寄って良い目を見ようと思っても、それは結局、都合よく使われるだけのことです。
自分が働いている会社がブラック企業だと思ったら、これはもう、労働組合で交渉する以外に無いですよね。


posted by REI at 23:46| Comment(0) | TrackBack(0) | 日記

2015年06月02日

労働法制改悪反対学習会ー不同意の意思表示は労働組合の力の中でー

先週の土曜日、5月30日に三多摩労組で労働法制改悪反対の学習会をしました。
この学習会を開催したきっかけは、まずは、東京全労協と労働弁護団との懇親会の時に、労働弁護団の方から「労働法制反対学習会の講師を無料で派遣する」と言われたことです。そこまで言われれば、労働組合としては、学習会しないわけにはいかないでしょう。
 そして、そういうことで私の問題意識の中では、本来は労働組合が中心になって反対の声をあげなければならない労働法制改悪反対が労働弁護団からの声あげになっていることに対して、労働組合もっと頑張らないといけないなあという気持ち。

労働弁護団に講師派遣をお願いしたところ、いらしていただいたのは私たちの顧問弁護士事務所である西東京共同法律事務所の谷村明子弁護士でした。多摩地区の労働弁護団ともなると、それは当然のことかもしれません。ただ、私は谷村先生は事務所でお顔を拝見したことはありましたが、直接お話を伺いするのは初めてでしたので、新鮮でした。

お話いただいたのは次のことです。
今回の労働法制改悪が、経営にとって労働者をいかに使いやすくするかという眼目からきていることを「産業今日労力会議の議論を発端していること。

有期雇用の無期転換ルールがわずか2年で「特例法」が作られて、「高度な専門知識を有する有期雇用労働者」は10年反復更新しないと無期雇用にならないとされたこと。これがもう決まってしまったこと。この対象労働者は、厚生労働省令で決まってしまうこと。2013年4月〜労働契約法18条のカウントが始まりました。指折数えて5年の反復更新がされる2018年4月を迎える前に、「あなたの仕事は高度な専門知識を有するもの」と厚生労働省令が定めてしまう不条理が起きるかもしれないのです。こういうのって、褒めて実利を失わさせるような表現ですごくいやらしいですね。

今最大の問題の労働時間規制の緩和・撤廃です
 ここの部分、労働基準法を紐解く時に、とっても面倒くさい部分です。労働基準法はそもそも労働者が理解できる内容でなければ意味がないと思うのです。「年少者」の労働基準をも定める法律なのですから、少なくとも15歳になったら読み解ける法律でなければいけないと常々思うのですが、この労働時間法制の1980年代後半から改悪されてきた部分はすごく読みにくい。労働時間法制を改悪するたびに、労働者がわかりにく法律に労働基準法を変えて、労働者の賃金を切り下げようとしているとしか思えないところです。
 労働者もよく読んでいないばかりか、経営者もよく読まずにいいとこ取りしようとしている部分です。
 その、フレックスタイム制の清算期間を一ヶ月から3ヶ月に変更しようとし、企画業務裁量労働制に「法人提案型営業」「実施管理評価業務」を組み込み、事業所単位を企業単位に変更し、6ヶ月の定期報告を廃止すると、規制なき、野放し状態への改悪です。今とっても違反が多い部分なのですが、法改悪で違反にならないようにしてしまい、労働者の健康が破壊され、賃金が削られるだけの内容です。私は違法な裁量労働を当てはめられて、うつ病になって休業を余儀なくされたのに、労働時間の管理記録を会社がとっていなかったがばかりに労働災害が業務外となってしまったNさんのことが、違法な裁量労働では頭によぎります。優秀な労働者をうつ病にさせてしまうような制度は、会社の、社会の損失のはずです。

そして問題の、高度プロフェッショナル制度(残業代ゼロ法案)です。「高度の専門的知識」を必要とする「厚生労働省で定める業務」に従事し、「厚生省令で定める額以上」の賃金の労働者の、本人の同意と労使委員会の決議があれば、導入できるという法案です。健康確保措置としても104日以上の休日でも可なんですよね。104日と言ったら、年間53日曜日、52土曜日で105日。たったそれだけの休日で長時間労働の健康確保措置です。これじゃあ疲れは取れないですよね。しかもどこにも成果が上がれば賃金が上がるという保証はありません。

うちの組合員から「同意しなければいいんじゃないの」という素朴な意見もでました。
確かに。同意しなければいいんです。
でも、組合員がそう言えるのは、組合に加入し、組合が彼を守っているので、同意しないことによりリスクはほぼないからです。
労働組合に加入していない労働者、労働組合にか加入していても労働組合が守ってくれないところ、会社のいうままに働くことでステップアップを夢見る労働者、これらの人たちは「同意」を断ることはまず難しいでしょうね。それで健康被害にあったときに言われるのはきっと、「同意」したのは本人の意思だから仕方がないという言葉です。そんな本人責任にするための「同意」が今の労働現場では、強制の雰囲気の中で行われています。
同意を断るのは、首をも覚悟しなければならないこと。
そんな討議をしながら、私たちの仕事は一つでも多くの職場で、強制の「同意」が起きないように、労働組合を結成することだとしみじみ思いました。

学習会終了後は、谷村先生を囲んで懇親を深めました。
派遣法に関してはまた後日。

労働法改悪反対







posted by REI at 14:48| Comment(0) | TrackBack(0) | 日記