2016年06月28日

本日、青伸産業運輸事件都労委勝利命令出ました。支配介入のない、自主交渉で解決できる労使関係を目指しましょう!

本日、青伸産業運輸(平成26年不第37号事件)の救済命令が出されました。青伸産業運輸は、青梅市に本社がある運輸会社で、15年ほど前に私たちの組合の分会が結成されました。私たちの組合に加入して現在まで分会活動をしている人たちはトレーラー部門で働いています。大井埠頭や、本牧埠頭に運ばれるコンテナをトレーラーで運んでいます。

組合結成以来、労働委員会へのあっせんは2回、申し立ては5回目と成りますが、命令まで進んだのは今回が初めてです。命令よりも、労使が納得して捺印する和解を大切にしようという考え方で、今まではずっと和解解決してきたからです。でも、今回は、和解協定が守られていないため、命令をもらう事を選択しました。

和解で実を取るか、命令で「正しさへの確信」を確認するか、専従役員の私としては悩ましいところでしたが、「勝利命令が欲しい!」という当該の声に押され、命令交付を迎えました。

内容は、ちゃんと勝利命令でした。これまで4回にわたり、和解で済ませてきた「不当労働行為の疑い」が、「やっぱり不当労働行為だった」「組合が不当労働行為だと抗議していたのは正しかった」という自信につながりました。

少しだけ、内容を解説しますね。
今回、救済を請求した事案は
1、社長もしくは解決能力ある取締役がでない団体交渉は不誠実であり支配介入に該当する
2、エコ奨励手当金の団体交渉が不誠実であり、支配介入に該当する
3、一時金の支払いを約束した売上げ額に到達したのちには、一時金を支払うべき誠実な団体交渉をすべきだ
4、支配介入の事実があるのでポストノーティス命令をだしてもらたい
という4項目でした。
そして、今回、3項目目の一時金に関して以外がすべて救済命令が出されました。

<一時金交渉は誠実であったのかどうか。また、今後の交渉への影響>
最初に、救済命令が出されなかった一時金問題について労働委員会がどのように判断したのかを引用します。
「エコ奨励調整手当の支給などが労使間の喫緊の検討課題となったため団体交渉において競技が行われなかった。このように、25年夏季賞与及び同年冬季賞与にあたって、賞与支給の基準が主な交渉事項とならなかったのであるから、会社が賞与支給の基準を示さなかったことについて、会社に非があるとまでは言えず、団体交渉における会社の台頭をもって支配介入ということはできない」つまり、エコ奨励手当て金の交渉に労使共没頭していたんだからしょうがないだろ、と判断されています。でも、その後に、「なお、26年夏季以降の賞与に関する団体交渉については、会社の提供資料に誤りがあったり、賞与の支給基準に関する会社の提案の内容も2転3転しており、会社の対応に問題がないとは言えない面もある。しかし、これらは本件申し立て後の事情である」と労働委員会のは判断しています。ということは、申し立て後の審問にはいる直近にでも変更申し立てをしておけば、勝利命令につながった可能性があったということであり、また、26年以後の交渉というは今現在に続く交渉な訳だから、これも解決しなければ、労働委員会時効の27年以後の交渉の件で申し立てをすれば救済命令が出る可能性があるというわけです。
会社には、ここの部分をちゃんと読んで、誠実な一時金交渉をしてもらいたいものですね。

では、勝利命令が出された内容はどんなことが内容だったかを見ていきます。
<社長または解決能力のある取締役の団体交渉出席>
 ここではまず、社長の出席が団体交渉に必要である事実を労働委員会は「社長が団体交渉に参加する原則に関する協定が数度にわたり締結された理由は、会社において実質的な交渉権限を持つのは社長のみであるという共通認識があったと考えられる」と判断する一方で、「解決能力のある取締役が出席していたか否か」について検討しています。私たちもそう思います。社長さんしか交渉権限を持っていなければ、社長さんが団体交渉に出席してもらうしかありませんが、社長さんが信頼できる取締役に権限を委任していただければ問題は発生しないはずなんです。でも、今回の青伸産業運輸さんの場合は、会社の発言を引用し、「これらの発言は、社長が欠席する団体交渉では協議の進展は難しいとの認識を吐露したものと言わざるを得ず、この団体交渉は実質的な交渉権限を委ねられた、解決能力のある取締役が不在の不誠実なものであったことが認められる」「幹部会で協議しないと支払えない旨を回答するのみで、問題解決に向けた真摯な姿勢はみられず」「組合から質問されていた評価査定表についても回答しないばかりか、組合に、再度、質問事項を文書で示すように求めるなど、著しく不誠実な姿勢に終始している」と事実関係が認定され、「会社側のこのような団体交渉の姿勢は、本件申し立て以前から一貫して継続しているものであり、組合と再三にわたり締結した協定書を無視するものであって、組合の交渉能力の弱体化を図った支配介入にも該当する」と労働委員会が判断しました。
<エコ奨励手当金団体交渉の不誠実>
この二つは実は同じ時の団体交渉において、存在してます。ですので、上記を踏まえて、「組合が反発していた26年9月時点の改正案を終期後の27年1月に正式に提示したのであって、このような会社の対応は、協定書の趣旨を踏まえた誠実な交渉態度とは言い難い」「評価査定表に関する組合の疑問を解消させるような対応は行わず具体的な代案を示すこともないまま、以前、組合が疑問を呈した内容と同一の評価査定表を提案している。この会社の対応は、組合との間での妥結を目指し、誠実に交渉したものとは言い難い」「組合員に適用された制度(エコ奨励調整手当)と非組合員に適用された制度(ECO原価低減協力奨励金)のどちらの制度がより合理的かを問題として交渉を求めていたのであるから、組合員と非組合員とを分けた燃料費に関する資料は重要なものである。そして、この資料を作成することが会社にとって困難であるといった事情も特に窺われないのであるから、会社の主張は組合の開示要求を拒絶する合理的な理由とは言い難い」と認定され、「27年1月以降のエコ奨励調整手当に関する会社の対応は不誠実な団体交渉に該当する」と労働委員会は判断しました。
<エコ奨励手当金をめぐる交渉が支配介入であること>
「組合がその出席を求めたにもかかわらず、社長は27年1月以降のエコ奨励調整手当に係る団体交渉に一度も出席せず、協定違反を続けるなど、前件協定書を締結した後の一連の会社の交渉姿勢を併せて考慮すれば、27年1月以降のエコ奨励調整手当に関する会社の対応は支配介入にも該当する」と労働委員会は判断しました。

これらの結果、今日から1週間以内、つまり、7月4日までに、会社は55pバツ1️80pの白紙に、楷書で明確に墨書して会社の従業員の見やすい場所に、当組合委員長を宛名人として「第133回団体交渉及び第134回団体交渉に当社代表取締役社長が出席しなかったこと及び平成27年1月以降のエコ奨励調整手当金に関する当社の対応は、いずれも東京都労働委員会において不当労働行為であると認定されました。今後、このような行為を繰り返さないように留意します」との文書を会社の社長名で10日間、掲示することを労働委員会は命じました。

さて、この命令の結果、会社が命令をしっかり守り、労使の交渉により解決を目指す誠実な交渉ができていくのでしょうか。労働委員会にお世話になるのがこれで最後になるように、団体交渉という労使の協力で解決できる会社にしましょうね。
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2016年06月07日

有期雇用労働者の派遣社員への入れ替えが始まっています。泣き寝入りする必要はありません!交渉しましょう。

2013年4月からがカウント開始になっている、労働契約法第18条の有期雇用から無期雇用(期限の定めのない雇用契約)への転換申し込みまであと2年を切りました。期限の定めのある雇用で働いている人たちにとって、あと1年10ヶ月待てば、「雇い止め」(次の契約更新はしませんよと言われることです)の危険と背中あわせの働き方から期限の定めのない働き方に変わることができるのです。
労働者側が労働契約法第18条の効力の恩恵を感じる前に、ブラックな雇用主たちは悪い策略をもう実行し始めています。早々と、理由の無い「雇い止め」を通告し始めているという、労働相談がここのところ寄せられています。

「次の契約更新はしないから」「今回の契約が最後だから」と言われても、「過去に反復更新された契約で、その雇い止めが解雇同様に判断できるもの」「期限の定めの無い雇用に転換することの期待がある」場合には、雇い止めは出来ません。仕方が無いと思わずに、すぐに相談にいらしてください。

この間、相談にいらした方は、雇い止めを通告されて、引き継ぎを新たに契約した派遣社員の方にするように言われたとのことです。昨年強行された派遣法の改悪を利用して、有期雇用の契約社員を派遣社員に入れ替えようという悪意がありありのやり方です。

そんなに常用雇用で労働者を雇うのが嫌なんでしょうか??長年働き続けれいれば、仕事の仕方もプロになります。そして、安心して働き続けられることは、良い仕事をする上でとても大切なことです。

相談にいらした方の職場では、上司によっては直近にならないと「雇い止め」通告をしない方がいるそうです。その理由は「雇い止め」通告をすると職場の環境が悪くなるからということだそうです。派遣社員に置き換えても、労働者の使い捨てを続ければ、それは職場環境の悪さが繰り返されるだけのことです。職場の環境が悪くなるのが困るのであれば、労働者の使い捨てをしなければいいだけのこと。
また、そこの会社では、就業規則も改定し、有期雇用は3年以上更新しないという記載をいれていました。

「雇い止め」に対抗することは一人でもできます。
ですから、「雇い止め」を通告されたら、すぐに労働組合に相談にいらしてください。会社と交渉して、「雇い止め」を撤回させましよう。
でも、労働者を使い捨てにすることが明記された就業規則や雇用ルールに対しては、これは職場の仲間と団結して、労働組合を職場に結成することが一番の対抗する力となります。
労働組合結成についても、一緒に相談してお力になれますよ。

雇い止めを繰り返されて、転職を繰り返すにしても、20代であれば、まだどうにかなりますが、40代、50代で使い捨てにされることは、生活を壊されることに他なりません。泣き寝入りせず、交渉しましょう。
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