2018年07月24日

仕事中に熱中症!それって労働災害です。

 労働者は「災害」的暑さの中でも、働いています。屋外でも、エアコンの無い現場でも、環境に問題のある工場でも、働いています。
 暑いですねーー。気象庁がこの暑さを「災害」と認定しました。世界気象機関は「温室効果ガスの増加による長期的な地球温暖化の傾向と関係がある」と分析しているようですから、突発的な自然災害とばかりいえない人災かもしれませんが、とにかく殺人的な暑さであること、そしてこれは続きそうなことだと言うことが確かなことです。今年の熱中症の死亡者数は昨日までで94人だそうです。本当に危ない。

 高齢者や子供が熱中症で搬送されたと言うニュースも多いですが、昨年まででも、熱中症の死傷で労働災害と認定された人数はちょっと半端な数字では有りません。厚生省労働省の調査をみると、昨年平成29年が528人、平成28年が462人、平成27年が464人、それぞれ二桁の死亡者がいます。労使共に労災の概念が薄くて労災扱いになっていないなんて、ケースもあるかもしれませんから、仕事中に労働災害としての熱中症になった方はきっともっといると思います。
 仕事中に頭がクラクラしたり、熱中症の症状が出たら、直ちに仕事を中断して横なったり、救急車を呼んだりしましょう。そして、すぐに労働災害の手続きをしましょう。もし労災保険に加入していなくても、会社が労災扱いを拒んでも、直接労働基準監督署に手続きを取れば、大丈夫です。不安があるときは、いつでも労働組合に相談 http://zsantama.org/form.html してくださいね。

熱中症の労働災害判例では、裁判所は次のように言っています。「労基法施行規則三五条、別表第一の二第二号八は、「暑熱な場所における業務による熱中症」を業務上の疾病としているのであるから、労働者が暑熱な場所における業務に従事中、熱中症を発症して死亡したと認められる場合には、特段の反証がない限り、当該疾病は業務に起因するものと認めるのが相当である。」(平成16行(ウ)33事件、労働判例923号54頁)
自信を持って、労災認定申請をしましょう。労災で休業補償を受けて、ゆっくりと休養しましょう。熱中症になったのに、お金が心配だったり、会社が休ませてくれなかったりして、休養を取らずに働いたら、体が休まらずに悪循環になってしまいますからね。

 そして、熱中症予防は、様々な方策で防ぐための職場の環境づくりが必要です。厚生労働省もこんなリーフレットを出しています。https://www.mhlw.go.jp/file/06-Seisakujouhou-11200000-Roudoukijunkyoku/leaflet_11.pdf
要点をまとめると、@輻射熱も含めた暑さ指数の測定をしっかりして、Aとっても暑い時は作業を中断B休憩時間を確保する作業計画C暑さ指数が基準値を超えるおそれのある作業場所に簡易な屋根の設置、通風又は冷房設 備の設置、ミストシャワー等による散水設備の設置D作業場所の近くに冷房を備えた横になって休むことのできる休憩場所の確保。E透湿性及び通気性の良い身体を冷却する服、通気性の良い帽子、ヘルメッ ト。ということです。

中小企業では、休憩室がきちんと完備していないところ、温度管理ができていないところがたくさんあります。とても暑い中で、交渉も大変ですが、何よりも大事な健康管理のために、会社に安全配慮義務を果たしてもらいましょう。
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2018年07月14日

ボーナスの支払い根拠

 中央労働委員会に会社が不服申し立てをしている木村建設(本社 羽村市)事件での、会社の不服の理由に対する反論を書きながら、こんな風に会社を指導する弁護士が増えると困ったものだなあと思ったことが多々あります。
その一つが、ボーナス支払いに関する会社の交渉応諾義務です。

東京都労働委員会からの救済命令は、@「組合が結成された事により、『弁護士代がかかる』としてボーナスを支払わない」と社長が述べたことが支配加入である。A組合が結成されたことにより「ボーナス」を半減したことが不利益取り扱いである。というものです。

これに対し、会社側が反論しているのは「ボーナスの支払いは社長の裁量なので、支払うも支払わないも、社長が決めることだから、払わなくとも半額にしても不当労働行為にはならない」「ボーナス支払いは就業規則に記載していない」ということです。

それで組合は次のように反論しました。
@就業規則は周知されていないと効力がない(木村建設では不当労働行為があった2015年夏時点で就業規則を見たことがある従業員がいなかった)ので、就業規則の記載は関係ない。
Aボーナスを年3回支給することが、求人票に記載されているので、ボーナス支給は入社時に契約した労働条件である。
B毎年前年支給分よりもUPした金額で支給されているので、ボーナス支給を見込んでローンなどを組んでいる。従業員らは支給されることについて期待権を持っている。

木村建設の場合、上記に記載した通りの事情で「組合結成」を理由に「支払わない」とすることや「前年半額支給」とすることが不当労働行為になるわけです。
そして、不当労働行為ばかりでなく、ボーナス交渉の請求根拠もここにあります。

そもそも、ボーナス支給は法律に義務として定められたものではありませんが、労働条件問題なので会社側に団体交渉応諾義務があります。就業規則に定めていても、いなくても、誠実に団体交渉を開催しなければならない事項です。就業規則に支払わないと決めていても、就業規則変更要求も含めて、会社は誠実に団体交渉に応じなければなりません。木村建設のように、「社長の胸先三寸で支給額を決めている」という中小企業であれば、その社長の胸先三寸の内容をわかりやすく組合に説明しなければなりません。そして、「胸先三寸」といえども、以下の内容は回答してもらわないと、組合は妥結の判断が難しくなります。
@全社員への支給総額
A平均支給額(平均年齢)星2️加重平均で求めましょう
B勤怠査定の有無と査定基準
C考課査定の有無と査定基準

会社の経営状態が厳しいから出せないなどの回答があったら、経営資料を出してもらいましょう。
経営数字を読み込んで、ボーナスを出せる余地があるのかないのか、組合としても検討してしっかり交渉をしましょう。
今月7月21日(土曜日)の組合交流会は、経営資料の読み方をやります。組合のスキルをアップさせて、ボーナスUPに繋がる交渉をしていきましょう。




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