2019年06月29日

女性と働く人の社会的地位が向上すれば、社会は変わるはす

私は、参議院選挙の目標の一つに、意思決定機関に女性が半数を占めること(クオーター制度、バリテ)。を掲げています。それは、自分自身の経験と実感から、必要だという思いがあるからです。

私は、大学を出て最初に就職をした食品会社で営業に配属されました。1980年初めの頃、男女雇用均等法よりも前の事で、営業職の女性は珍しかった頃です。実際に、社内でも取引先本部との交渉も含めて担当する営業社員で女性は私一人。取引先のスーパーマーケット本部の商談室に入ると、周りは全て男性ばかりでした。
 営業に配属されたばかりの頃、会社から服装指定の紙を渡されました。スーツ、スカート、パンプスで、色は紺か黒かグレーで、営業先よりも目立たないもの。その服装で動き回って腰痛になったのが、私が労働組合に出会うきっかけでした。

 腰痛の原因が仕事にある、スカートとパンプスという服装にも原因があるという事で労災職業病闘争をしたのですが、この因果関係を明らかにできる書物も少なければ、周りは男性ばかりですから、経験の共有もできませんでした。そして、会社とは和解解決に至りましたが、労災は相当因果関係を理解してもらえず業務外と判断されてしまいました。

 翻って今、パンプスの強制にNOという声が出るようになりました。共感を呼ぶ声も多く、働く女性が増えたことが実感されます。それでも、湧き上がる女性の声が政治に届いていないのは、働く人と女性の社会的地位がまだまだ低いからなんですよね。
とりわけ、働く人の社会的地位が落ちているのです。お金を稼げる人が偉いという風潮が強くなり、低賃金な働く人が、尊重されなくなっています。会社側弁護士などは、「あんたは能力ないから、そんな単純労働をしているんだよ」と店舗受付業務に従事している女性を平気で馬鹿にします。まとめると、低賃金で働く女性の地位が不当に貶められているのです。

私は労働組合活動の中で、みんなに尊厳がある。経営者にも、上司にもその尊厳を踏みにじる権利はないと伝えています。
そして、働く人に尊厳を取り戻したいと思っています。

ではどうしたらいいのか?政治の意思を決定する国会をはじめとした、様々な意思決定機関の半数を女性が占めること。とりわけ働く女性、働く人の地位の向上につなげることができる女性が、その意見を国に、政治に、法律に反映できれば、社会はきっと変わることができるはずです。


 
 
posted by 朝倉れい子 at 09:33| Comment(0) | TrackBack(0) | 日記

2019年06月20日

木村建設事件 スラップ訴訟は何故おきるのか。

組合員が木村建設という会社(本社 羽村市)からスラップ訴訟を起こされたので、その準備書面作成のお手伝いをしました。この訴訟、組合結成、組合の団体交渉申入れという組合活動に対して、いろいろなやっていない事をでっち上げられて、組合員一人だけに損害賠償請求がかけられたものです。

損害賠償請求という訴訟は気が重いのですが、それよりも会社側代理人弁護士の在りようがもっと気が重いのです。

何が辛いかって、嘘だらけが辛いです。

嘘のその1
社長が可愛がっていた配車係さんは、組合とは無関係。でも、その配車係が会社を辞めたことが悔しくて、組合を裏で操っていたと決めつけている事。
 これは、はっきり言って、すごい迷惑。そもそも、その配車係りさんは組合に加入していないし、解雇事件が起きて、残業代の根拠のための業務指示のあり方について一度だけ私もお会いしたことがあるだけの方。
 私たちのような地域合同労組の場合、職場で分会を結成するときは組合役員がずっと付き添います。組合役員が面識のない、影の分会長などは存在しません。社長さんは勿論、弁護士さんも労働組合を知らなすぎるのです。

嘘のその2
私たち組合は、登記簿謄本で会社の本社所在地を確認して団体交渉申入れに行ったのですが、会社は登記簿には本社と記載しているけれど実際は自宅である。自宅に押しかけた。会社と関係のない社長の妻に団体交渉申入れをしたと主張しています。しかし、登記簿というのは、法務局が管理する公信力のあるもの。法人であれば登記が必要ですし、虚偽記載はしてはならないもののはず。会社のホームページにも、登記上の本社が本社と記載されています。公の嘘なんでしょうか?そして社長妻も、登記簿にはしっかり「取締役」ですし、中央労働委員会審問では役員報酬を支払っていることも確認済みです。どうしてこんなに簡単にバレる嘘を訴状で書くのでしょうか。

嘘のその3
音声で確認できない「発言」が記載されていること。
音声を確認すればすぐにバレるのに、何ででしょうか。

嘘その4
この会社、組合員には残業代を一部支払いました。けれども、非組合員には全く残業代を支払っていません。支払っていない残業代とは、ダンプのタコメーターが動いている時間です。それだけで、労働基準法違反、ブラック企業となるのですが、社長も、会社弁護士も何故か、「労働条件には何の問題もない会社」と主張してきます。
このブラックな状態、取引先のゼネコンさんから指摘してもらえれば、是正することもあると社長は中労委の審問で証言しました。ブラック企業をなくすためには、取引先の協力が不可欠ですね。

この嘘ばかりのスラップ訴訟、考えてみると一昔前には、引き受けてくれる弁護士さんが居なくて、成立していませんでした。最近は負けても構わない、クライアントからお金を引き出さればいいとばかりの方が増えているようで、おかしな訴訟が出されます。
弁護士さんのプライドは無いのだろうか?と考えますが、過当競争という側面にも思い至ります。
もしかして、このスラップ訴訟の乱立って、弁護士さんの数を増やしすぎた政治の責任?軒弁などの言葉を聞くと大変だなあと思っていましたが、考えてみると弁護士さんが稼ぎのために汲々とすることは、ものすごく傍迷惑な事なんですね。以前であれば、気概のある社長さんたちは、訴訟や弁護士さんには頼らず自分の力で労働問題も解決していたものです。いかに供給過多でも、スラップ訴訟は労使双方にとって百害あって一利なしです。社会に節度が戻るようにするために、少し知恵を絞る必要がありそうですね。

posted by 朝倉れい子 at 23:17| Comment(0) | TrackBack(0) | 日記