2019年06月20日

木村建設事件 スラップ訴訟は何故おきるのか。

組合員が木村建設という会社(本社 羽村市)からスラップ訴訟を起こされたので、その準備書面作成のお手伝いをしました。この訴訟、組合結成、組合の団体交渉申入れという組合活動に対して、いろいろなやっていない事をでっち上げられて、組合員一人だけに損害賠償請求がかけられたものです。

損害賠償請求という訴訟は気が重いのですが、それよりも会社側代理人弁護士の在りようがもっと気が重いのです。

何が辛いかって、嘘だらけが辛いです。

嘘のその1
社長が可愛がっていた配車係さんは、組合とは無関係。でも、その配車係が会社を辞めたことが悔しくて、組合を裏で操っていたと決めつけている事。
 これは、はっきり言って、すごい迷惑。そもそも、その配車係りさんは組合に加入していないし、解雇事件が起きて、残業代の根拠のための業務指示のあり方について一度だけ私もお会いしたことがあるだけの方。
 私たちのような地域合同労組の場合、職場で分会を結成するときは組合役員がずっと付き添います。組合役員が面識のない、影の分会長などは存在しません。社長さんは勿論、弁護士さんも労働組合を知らなすぎるのです。

嘘のその2
私たち組合は、登記簿謄本で会社の本社所在地を確認して団体交渉申入れに行ったのですが、会社は登記簿には本社と記載しているけれど実際は自宅である。自宅に押しかけた。会社と関係のない社長の妻に団体交渉申入れをしたと主張しています。しかし、登記簿というのは、法務局が管理する公信力のあるもの。法人であれば登記が必要ですし、虚偽記載はしてはならないもののはず。会社のホームページにも、登記上の本社が本社と記載されています。公の嘘なんでしょうか?そして社長妻も、登記簿にはしっかり「取締役」ですし、中央労働委員会審問では役員報酬を支払っていることも確認済みです。どうしてこんなに簡単にバレる嘘を訴状で書くのでしょうか。

嘘のその3
音声で確認できない「発言」が記載されていること。
音声を確認すればすぐにバレるのに、何ででしょうか。

嘘その4
この会社、組合員には残業代を一部支払いました。けれども、非組合員には全く残業代を支払っていません。支払っていない残業代とは、ダンプのタコメーターが動いている時間です。それだけで、労働基準法違反、ブラック企業となるのですが、社長も、会社弁護士も何故か、「労働条件には何の問題もない会社」と主張してきます。
このブラックな状態、取引先のゼネコンさんから指摘してもらえれば、是正することもあると社長は中労委の審問で証言しました。ブラック企業をなくすためには、取引先の協力が不可欠ですね。

この嘘ばかりのスラップ訴訟、考えてみると一昔前には、引き受けてくれる弁護士さんが居なくて、成立していませんでした。最近は負けても構わない、クライアントからお金を引き出さればいいとばかりの方が増えているようで、おかしな訴訟が出されます。
弁護士さんのプライドは無いのだろうか?と考えますが、過当競争という側面にも思い至ります。
もしかして、このスラップ訴訟の乱立って、弁護士さんの数を増やしすぎた政治の責任?軒弁などの言葉を聞くと大変だなあと思っていましたが、考えてみると弁護士さんが稼ぎのために汲々とすることは、ものすごく傍迷惑な事なんですね。以前であれば、気概のある社長さんたちは、訴訟や弁護士さんには頼らず自分の力で労働問題も解決していたものです。いかに供給過多でも、スラップ訴訟は労使双方にとって百害あって一利なしです。社会に節度が戻るようにするために、少し知恵を絞る必要がありそうですね。

posted by 朝倉れい子 at 23:17| Comment(0) | TrackBack(0) | 日記