2022年05月09日

コロナ明けのコロナ関連労働相談ー官製雇用破壊ー

GW明けの今週はほぼ連日が労働相談で埋まっています。Gw明けの相談というよりも、コロナ禍の間溜まっていた相談が多いようにも思われます。
本日の相談は、コロナ禍の問題点を象徴するような内容でした。
相談者はコロナ罹患後、保健所から紹介される症状悪化時のコールセンター勤務の看護師さんたちです。
行政が業務委託した業者からコールセンターに派遣されている看護師さんたちです。
24時間体制で、症状が悪化した方からの医療相談を受けるために、遅番、泊まり勤務があります。なのに、仮眠設備も、休憩設備も、完備されていないのです。泊まり勤務の際は、床に段ボールなどを敷いて寝ているといいます。男女別の休憩及び仮眠施設がないので、寝袋を購入したり、自家用車に宿泊したりしているというのです。
コロナに罹患して不安な患者さんの対応を、そんな劣悪な労働環境で対応しているという実態にビックリして、とにかく相談に来てもらいました。

そして、さらに驚くような雇用破壊がありました。
なんと、「個人事業主」契約だったのです。しかも、早番、遅番、泊まりのシフト毎に勤務時間が明記され、起きた時間、出かける時間のそれぞれ指定された時間に会社に連絡義務まであります。賃金も時間給。時間外割増の計算も示されています。勤務場所は行政指定のコールセンターです。労働基準法上、労働法上の労働者に間違いありません。
しかも、契約書も無い、休憩時間も無い、全てLINEを使った指示命令です。

官製ワーキングプアどころではない、官製雇用破壊&人権破壊がここにありました。
長い長い、コロナ禍の中、じっと我慢している中で、多くの雇用が破壊され、人としての尊厳を失わせる働き方が増え、そこで利益を得ようとする人たちが増えたのでは無いかと思います。

2020年4月1日に発生した未払い残業代・未払い給料・未払い休業手当などの労働債権は、2023年3月31日まで請求できます。コロナ禍の間に発生した、我慢してたこと、早めに解決するために、相談にいらしてください。
posted by 朝倉れい子 at 21:38| Comment(0) | TrackBack(0) | 日記