2017年02月18日

長時間労働を無くすためには、まず賃上げが必要です。2017春闘ガンバロー

「労働組合というと、長時間労働反対でしょ」とよく言われます。それはどういう時に言われるのかというと「残業差別反対」を訴えた時、「労働時間削減反対」を訴えた時です。

 労働時間が過労死ライン、うつ病ラインに達してしまい、労働災害の取り組みをしているときにはそんなことは言われません。
働く時間が短くなると、給料が下がるので困ると訴えたときに限っています。

 その言葉をいう人達は、経営者であり、経営側弁護士なんです。経営者が組合差別や、嫌がらせを目的として、残業差別を行い、賃金切り下げをし、その抗議を組合がすると「労働組合は長時間労働反対なんだから、残業させないのはおかしいなんて労働組合にあるまじき行為だ」というわけです。次に、言われるのは、時間給で働く労働者が全体の労働時間削のときに、月の総労働時間減少に伴い月額収入が減少することに抗議したときです。「労働組合なんだから、労働時間削減をいう立場にあるんだから、反対するのはおかしい」と。
 つまり、これらは詭弁なんです。

 労働者は生活のために、働いてお金を稼がないといけないので、働いています。生活できる賃金が必要です。低賃金で、残業をしなければ生活に必要な賃金が得られないとき、ほんとうは8時間働いたら家に帰って眠りたいけれど、頑張って働きます。働かざるを得ない。そこを逆手にとって、低賃金しか払っていない経営者が、「残業させてやらないぞ」というのです。労働者に「長時間働かせてください」と言わせてしまうこと自体、なんというアイロニー。そもそもの長時間労働をせざるを得ない原因をつくっているのは、その経営者じゃないですか。まず、賃金をあげて、8時間労働で生活ができる賃金にして、残業しなくてもいい環境を作るのが経営者の仕事です。
 私は、ここ最近の政府の働き方会議の言うところの「長時間労働撲滅」を聞くと、いつも経営側から言われる「労働組合のくせに」という責任転嫁発言を思い出してしまっています。

 この1月末に、私たちの組合の白百合クリーニング分会の労働委員会係争事件で勝利命令が出ました。いくつか争点がありましたが、「降格配置転換されなければ得ていたであろう賃金と、降格配置転換後の賃金差額の支払い」命令がでたことで私たちはホッと胸をなでおろしました。この争点、詳しくいうと、ラビット21という店舗を経営している白百合クリーニングで、店舗が開いている時間は11時間です。そこでマネージャーの仕事をしていた分会長は、職務の性質から開店から閉店まで店舗の問題に対応していました。つまり、毎日11時間労働でした。その上、週1日の休日という決まりでしたので、1週間の残業時間は最低でも3時間が5日+11時間の26時間、4週間で100時間を超える長時間労働でした。ただ、マネージャーといえども、最低賃金に少し上乗せしただけの時間給でパート労働者として働いていた分会長は、当時母子家庭で、その賃金で子供を育ててきていました。計算していただくとわかると思いますが、2017年現在の東京都の最低賃金932円で1日8時間働くと、日給は7456円。週休2日で月21日働くと156576円。1日8時間、週40時間の労働基準法に定めた労働時間では、総支給で15万円強。ここから税金、社会保険を引くと手元に入るのは10万円強です。そこから家賃を払って、食費を出して、となると、子供の養育費まで捻出するのは至難の技です。1ヶ月は大体4.3週なので、週26時間働くと割増なしでプラス10万4千円。割増賃金で計算すると13万円がプラスになります。それでも、総支給約28万円と子供を育てるにはかつかつの低賃金ではありますが、総支給15万円よりはまだなんとかなります。今回、この月10万円強の差額の支払いが東京都労働委員会から命令され、ホッとしたのも束の間、会社はこの命令に従わないということなので、まだまだ兵糧攻めが続きそうです。
 しかし、この、長時間労働ではあるけれどもそれによって生活と子育てを支えていた賃金を組合を潰すため取り上げて、会社が「法定どおりの1日8時間週40時間にしただけです」と居直ったことが、不当労働行為であると認定されたことはとっても意味のあることです。

 私たち労働組合は、決して長時間労働が良いとは思っていません。子育て中の女性が定時以下の労働時間で生活と子育てができる賃金を得ることが、組合の目標です。
 時間短縮のために、最低賃金または最低賃金プラスαの時間給で働く労働者の労働時間を、時間給のUPなく削減することは順序が逆なんです。そんなことをすれば、労働者の生活が立ちいかなくなり、ダブルワーク、トリプルワークに追いやることになる現実があります。それは、1企業内での労働時間短縮が行われても、1個人労働者の労働時間+通勤時間は短縮されるどころか増加することを意味します。1企業内の労働時間短縮により、労働者の生活時間、自由時間が縮小し、過労が促進するわけです。
 そして、厚生労働省は「働き方の未来2035」でダブルワーク、トリプルワークによって複数企業で働くはめになることを、企業から自由になると表現し、あたかも「自由な働き方」のように描いています。「長時間労働をなくそう!」という反対出来ない美しい言葉の後ろに、低賃金労働者の悲惨な生活が隠されています。企業も国も、なんて、嘘つきなんでしょう。

私たちの組合の2017年春闘統一要求提出日は来週22日です。
中小民間の賃金はなかなか上がりません。時間給で働く労働者には、最低賃金UP以外に賃金が上がったことが無いという人がたくさんいます。
定時で安心して生活できる賃金を得ることができれば、過労状態になってまで働くことを望む労働者はいません。
低賃金で我慢して要求を出さ無いことと、長時間労働を強制されて声を上げれ無いことは、実は同じ根っこです。
黙っていたら、無権利状態になってしまいます。
低賃金と長時間労働に殺されないために、しっかりと声をあげましょう。
声をあげる労働者がいれば、労働組合は一緒に頑張ります。
posted by REI at 00:22| Comment(0) | TrackBack(0) | 日記
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