2017年07月05日

お金をかけて運用できない査定システム作って、労働者をいじめるなんて・・・E社の不当労働行為事件

今日は、中野区にある酒問屋さんの事件で、労働委員会第1回目の期日がありました。この事件、「普通」であれば、労働委員会などで争うことなく解決していて不思議でないような事件です。
 事件の概要を書くと、ざっとこんな感じです。
 昨年の4月にAさんが上司から口頭で解雇通告されました。しかし、この解雇は社会的合理性のない解雇でしたので、本人が不同意の意思表示をしたところ、即日で撤回されました。ただ、Aさんは入社からすでに3ヶ月が経過していたのですが社会保険、労働保険に加入してもらえていませんでしたし、雇用契約書を示してもらっていなかったので、働き続けることに不安を感じて、私たちの組合に加入しました。そして団体交渉を重ね、解雇撤回を確認する協定書を締結し、会社は社会保険加入、労働保険加入を速やかに進め、雇用契約書を作成し、Aさんの育児時短についても就業規則の繰り上げが合意し、一見順調に進んだかのように見えました。
 ところが、団体交渉では法律遵守に向けた回答をして来た上司は、団体交渉外ではAさんに色々と細かい嫌がらせを続けていて、Aさんは昨年年末には休業せざるを得なくなってしまいました。休業に入る1ヶ月ほど前に冬季一時金要求書を出していましたが、会社からの回答は「検討中であり、決定次第連絡します」ということでした。
 その後、今年の1月になってから会社は査定の結果0円との回答を出して来ました。査定をめぐる交渉を5月まで続けて来ましたが、会社から出される資料が、交渉後の今年になってから後付けで作成されたものが続き、誠実説明義務に違反する内容でした。また、この0円が組合差別だということで、労働組合法第7条1、2、3項目違反で本件申立に至ったものです。

不当労働行為としては、以上のような感じなんですが、答弁書、今日の調査期日でさらなる「不思議」が出て来ました。
というのも、会社が行なった査定表は、個人面談による目標管理をして査定を行うシステムなんですが、そもそも査定対象期間前に、目標面接も行われておらず、目標設定もなく、二次評価者の評価も記載されていない、いわば、活用されていない評価制度だったのです。この間の団体交渉でこのことは再三指摘して来たのですが、今回わかったのは、そもそも査定で0円にしたのではないこと、この査定システムは2015年にコンサルタントに頼んで数百万円もかけて作成したものだということです。

15人くらいの従業員数の会社ですから、査定システムが機能していなくても何の不思議もないですし、そもそも、必要なのか??というくらいのものです。
なのに、わざわざ数百万円もかけて査定システムを作り、今はすでに2017年冬季一時金の対象期間ですから2年も機能させることなく、1従業員をいじめるためにだけ、査定形式を利用するというこのすごい「無駄」と「意味のない行為」に頭がクラクラして来ます。
会社から資料として出されたコンサルタントの作成した資料を読むと、「従業員の活性化を目標とする」と書かれています。それをこんな、真逆のことに使うなんて・・・・

今回も、自主交渉で何とかまとめようとして来ましたが、会社側がとても頑なで東京都労働委員会申立という結果になってしまいました。お金をかけて、評価制度を入れて、従業員の活性化を測ろうとするその前に、そのお金があれば、労働法をまずは守る、労働基準法をまずは守る、そこから始めるのが順序です。そして、労働者が会社で働くことが、病にならないように配慮してもらえれば、パワハラなど問題はなくなります。評価制度をきちんと運用するためには、お金も時間もかかります。お金と時間をかけて従業員をいじめても、会社の利益は出ません。労働者に後付けの捏造資料を提出して平然としている姿勢は、企業としての誠実さも問われます。
最近、少しお金に余裕が出ると、労働者の賃金は上げずに、査定システムを作成しようとする会社がいくつか見受けられますが、もう少し働く人の気持ちに寄り添ってもらいたいものだと思います。

 
posted by REI at 19:21| Comment(0) | TrackBack(0) | 日記
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