2019年03月04日

1990年の賃金水準は今や高賃金?

先週金曜日に、「最低賃金1500円に!」という学習会を開催しました。講師には、にいがた青年ユニオンの山崎さんをおよびしました。山崎さんは40歳前後の方です。
山崎さんが用意していただたレジュメに「クレヨンしんちゃんパパはセレブ?」という項目がありました。クレヨンしんちゃんパパの設定は「30代で専業主婦の妻がいて、子供が二人いて、車を持っていて、ローンで持ち家で、年収600万(年2回ボーナス)。」というもの。山崎さんの年代から見ると、この年収や家族構成は「セレブ」。今の30代や40代前半はもっと貧しい層がたくさんいて、これだけの年収を得られる人はごくわずかのエリート。
 でも、山崎さんよりもだいぶ年が上の私には、どうしてそういう設定なのかわかります。その設定は1980年代後半から1990年のバブル期からバブルがはじけたばかりの時代の平均的なサラリーマン家庭なんです。派遣法は成立したけれど、ほとんどの労働者が正社員だった時代。正社員のお給料が年功序列だった時代。ボーナスが当たり前にあって、退職金が当たり前にあった時代。労働組合が春闘を当たり前にやっていた時代。労働基準法ギリギリとか、最低賃金ギリギリとかがブラックな会社だった時代。
 1980年代の標準は、2020年にさしかかろうという今、セレブ。
 いやはや、なんでこんなに労働者の賃金は値崩れしてしまったんでしょう。

翌日の土曜日、青伸グループ分会という2000年に結成された分会の団体交渉がありました。
会社側の提案する新賃金体系とこの間の諸問題を一気解決するための、賃金組み立て交渉がメーンです。
会社側案に対する組合案を出して、今後さらに詰めることになりました。
交渉の流れは悪くないのですが、その時に、会社役員が一言言いました。
「他の従業員に比べて組合員のAさんとBさんだけが突出して賃金が高い」。それは逆にいうと、他の人が「安い」。
 この理由を私たち組合員は本当によく知っています。
 なぜかというと、組合を結成した2000年頃から運転労働者の賃金値崩れが社会的に発生したからです。組合はただ、定期昇給年500円を早々に妥結し、協定書化しただけです。つまり、現在「賃金が高い」と言われているAさんもBさんも2000年当時の賃金に500円×19年分が上積みされているだけなのですが、相対的にたの運転手さんの賃金が値崩れしたために「高い」と言われる結果になったに過ぎないのです。
 組合員のAさんとBさんの賃金が値崩れしなかったのは、組合に入って会社と交渉し、賃下げ提案を断ってきたからだけの事です。たまに労働委員会をやったり、たまに組合旗を出したりはしていますが、大きな争議や賃上げ闘争をしていなくてもこの結果。労働組合組合員で居続けた成果です。

私は、この役員の言葉を聞いた時、昨夜の「なんでこんな時代になってしまったのか」という疑問の謎が解けました。「労働組合の力」を労働者が使わなくなったからです。
労働組合に入っているだけで値崩れは防げるのに、入っていいなかったから、入らなかったからこんな時代になってしまっています。
今からでも遅くありません。労働組合に入って、値崩れ前の賃金水準、雇用不安のない雇われかた、そこにディンセントワーク(働きがいのある人間らしい仕事)の付加価値をつけて、良い時代を作っていきましょう。


posted by 朝倉れい子 at 21:53| Comment(0) | TrackBack(0) | 日記
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