2022年02月08日

「生きづらさ」「働きづらさ」を無くす労働組合のお仕事ー職場における障害者に対する合理的配慮のための交渉からー

 コロナ困りごと相談会をやっていると、生活も心もボロボロになっている方がいらっしゃいます。生活が逼迫すると心も大変になることはもちろんですが、職場で追い詰められて仕事を失い生活が困難になる、そんな背景も存在します。
先週電話で相談をされた方は、10年前に働いていた職場でハラスメントを受け、心の病を得て退職し、親御さんの生活保護費で暮らしていました。10年前のハラスメントの責任追求がこれからできるかというと、損害賠償責任は時効、団体交渉応諾義務も微妙です。職場を退職する前に組合に相談にいらしていただいてればと、残念でたまりません。

 Sさんは、2020年年末に立川で開催したコロナ困りごと相談会に相談に来ました。発達障害を理由に職場でいじめにあい、心の病で休職に入ったものの、主治医から復職がOKになったのに会社が復職への道を閉ざしているという相談でした。市役所から労働基準監督署から様々なところに相談に行かれていました。相談後、その場ですぐに組合に加入しました。後から聞いたところによると、「初めてきちんと話を聞いてくれたから」ということでした。
 組合加入後、団体交渉と労働委員会あっせんを経て、昨年の4月には職場復帰が出来ました。けれども、以前よりも少しマシにはなったものの、内容を変えて発生しました。
 昨年8月には、就業規則を組合に見せないにも関わらず就業規則違反を追求されたり、トイレに5分行ったことで詰問されたりなどが起きました。そこで、就業規則提出を求め、ストライキに入ることになりました。

 けれども会社側は対応を改めなかったので、昨年末に労働委員会に申立をしました。そして、会社側の2回の代理人の辞任が続き、新たな代理人の就任で昨日団体交渉が開催されました。
 この団体交渉でやっと、就業規則が提出され、職場における障害者に対する合理的配慮に基づく今度の労働環境及び職務内容についての協議を行うことが合意されました。
 解決まではまだ色々とやらなければならない事がありますが、一歩踏み出しました。

コロナ困り事相談会の事に戻りますが、生活困窮に至る方の中にこの「発達障害」や「精神障害」の方の「生きづらさ」というものが存在している感が私の中にあります。身体障害と同じに、いくつかの配慮と工夫で普通に仕事ができるのにも関わらず、職場から排除されがちな傾向にあるのです。
「発達障害」が解雇理由に入れられていたこともありますし、パワーハラスメントの原因となっていたことも多々あります。発達障害も含めた個性が尊重されれば、みんなの生きづらさも無くなります。

多くの個性が尊重される職場を作ることも労働組合のお仕事です。
嫌なことがあった時、会社を辞めしかない選択になった時、その前に是非、組合に相談に来てください。



posted by 朝倉れい子 at 12:44| Comment(0) | TrackBack(0) | 日記
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