2012年10月19日

労働組合と弁護士、社労士、どこに相談すれば解決するの?

労働相談で、労働組合に相談するのと、弁護士に相談するのと、社労士に相談するのでどれが良い?という相談を受ける事が有ります。
相談する方は藁をも掴む気持ちで、どこに相談するのが一番良い解決になるのかな?という気持ちなのでしょう。
もともと性質の違う、役割の違うものを比べるのは無理がありますけれど大体こんな回答をしています。

「手段」の問題として考えた時、例えば未払い残業代問題であればこのように答えています。
 働いている会社で残業代の請求をすると、その結果は「過去分+就業規則の改訂」という形になるので、就業規則の改訂まで出来るのは労働組合だけですよ。と。
 その理由は、弁護士さんに頼めば訴訟は出来ますが、弁護士さんの作成してくれる内容証明郵便には強制力は有りません。そして訴訟は過去分の賃金を請求する場であって、将来の就業規則を作成する場では有りません。また、残業代は労働基準法にその計算方法が細かく定められているものですが、これを知らない弁護士さんが多いのも事実です。
 社労士さんは残業代の計算の相談にはのってくれるかもしれませんが、訴訟はしませんし、交渉権があるわけでは有りません。
 労働組合では、会社に対して団体交渉権が有りますから、会社が団体交渉に応じない法律違反になります。交渉において強制力が有ります。集団的労使関係としての就業規則の作成改訂は労働組合の力が一番発揮できる場です。もちろん、交渉毎の中には過去の残業代計算も含まれます。訴訟をする場合には弁護士さんを頼む事がありますが、労働問題に詳しい、残業代訴訟が得意な顧問弁護士がいますよ。
 と、いつもお答えしています。


以上、問題解決の「手段」としての相談先として労働組合が一番良いですよ、というお話。
だけど、「手段」の説明をしすぎると、本当の労働組合の姿が見えなくなってしまいます。
「手段」の労働組合ではなく、「生き方」としての労働組合。
目先の損得だけの利益ではなく、人生においての利益を見据えた相互扶助が組合です。
お金を出し合って、お互いに助け合う。労働組合でなくとも、組合と名のつくものは皆そういう性格です。

お金を出して「サービス」を買う、例えば企業が多額の顧問料や、着手金を払って弁護士さんや社労士さんの知識や労働を買うのと、労働組合に加入して助力を仰ぐのとは全く異なっています。
相互扶助がめんどくさい!という話もよく聞きます。多額のお金があれば弁護士さんに毎回の団体交渉に同席してもらう事も出来るでしょうけれど、そんなお金がないから、人に雇われて働いているのですよね。
お金が無くても、卑屈にならず、権利を主張する為には、人と人との関係の力で、活路を見出す、これが労働組合です。
posted by 朝倉れい子 at 16:21| Comment(0) | TrackBack(0) | 労働組合活動
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