2012年12月20日

労働組合でボーナス交渉をしよう!

12月も後わずか。ボーナスが出ない会社も最近増えてきたみたいですけれど、もう出た会社、まだ出るのかどうかも決まらない会社、まだこれからの会社、いろいろありますよね。
私達の組合は中小の運輸会社が複数ありますので、おしなべてどこも支給日は遅く、一時金の交渉は現在真っ最中です。

あ、労働組合では、ボーナスと言わずに「一時金」という言い方をします。
何故か、というと、「ボーナス」というとその次に続く言葉は「今年は業績が良かったから特別に従業員にも還元してあげよう!」というように「特別な」「サプライズ」として「プレゼント」される「金額」です。それはそれで、何も無いよりいいんですけれど、ここの意味を逆手に取って「今年は業績が悪かったから出さないよ」と言いだす経営者がいます。また、日本的な盆暮れに「使用人」に出す「プレゼント」と混同している経営者もいて、「靴」「ワイシャツ」「クリスマスケーキ」「餅」を支給してきた会社もありました。まあ、何も出さないよりもいいんですけれど。

それで「一時金」です。
これは、賃金というものを年収として捉え、毎月の賃金+夏冬一時金=年収で生活をしていることから考えられた呼称です。経営者の善意や、経営状態によるサプライズで出されたり出されなかったりするのではなく、一年間の生活の基礎であり、夏冬に一時払いされる賃金。月々の賃金と同等の、働く上での生活を維持する必要欠かせない賃金という意味です。ですから、労働組合の理屈では、経営状態が悪かったからといって、勝手に削減していいものでも有りませんし、経営者が嫌いな人だからといって、勝手に「査定」して金額を減額していいものでも無いのです。

ですから一時金交渉というのは、
「ボーナス」だと考えている経営者と、「一時金」であると考えている労働組合との交渉になります。
この差を乗り越えるためには、多くの知恵と勇気と行動が必要です。けれども不可能な事ではありません。

労働組合が無いと経営者の裁量の範囲で、払っても払わなくても、査定してもしなくても良くなってしまいます。
そんなひどい!と思われるかもしれません。
そこで、就業規則の賃金規定、または雇用契約書を確認しましょう。
もしも、「毎年12月10日に50万円支給する。」というように年月日と金額が明記されていれば、おめでとうございます!これは必ず支払われます。もし仮に支払われなければ、賃金未払い事件として労働基準監督署に申告も告訴も出来ますし、賃金請求事件の訴訟を提訴する事も出来ます。けれども「支払う事がある。」とか「支払わない事がある」と記載されている場合、様々な条件をクリアしなければ労働基準法違反や、訴訟での争いには出来ません。「様々な条件」の最低必要条件は、支払い年月日と金額が確定されている事です。
 私も昔、労働組合が無い会社で働いていましたが、支払日は直近になってから会社からアナウンスがあるのですが支給月数は支給されてから逆算して初めて知る事が出来、査定基準については風の噂でしか知りようがありませんでした。大方の労働組合の存在しない会社はそんなものです。
 では、一時金の支払い年月日と金額の確定は何によって出来るのでしょうか。労働組合が会社と交渉した結果の、「一時金協定書」で支払い年月日と金額は確定出来るのです。一時金、ボーナスについて、労働者がその支給及び支給条件を決められるのは、労働組合を通じた交渉だけです。

 以前、労働審判事件で、ボーナスを労働債権として請求してきた事件がありました。代理人弁護士さんもついている事件でした。けれども、この請求してきたボーナスは「支払う事がある」という就業規則を基に、「例年この位支払われてきた事」を根拠としての請求でした。支払日も金額も何の約束されたものでは無かったので、請求としては退けざるを得ませんでした。代理人弁護士さんは、「そんなひどい事があのか!」と言って泣いてしまい、当該の労働者は「弁護士さんが払ってもらえると言っていたのに何で」と言いました。そして審判官は当事者の労働者に向かって、「労働組合を作って、ボーナス交渉をして協定書を作ったあとに、会社が払わなければ請求できる」と説明をしていました。

 労働組合にしか出来ない事が有ります。
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2012年11月27日

労働委員会制度

昨日、私たちの労働組合では労働委員会申立は代理人弁護士を頼まず自力でやっていますと記載した所、「代理人弁護士を頼んだ方がいいよ」という意見をもらいました。
それで、少し、何で自力でやっているのか、その意味と必要性について考えている事を書きますね。
私が考えている意味と必要性は以下のとおり3項目です。
 @労働委員会制度そのものの意味
 A労働者に信頼される労働組合としてのスキル
 B労使対等の団体交渉を行うためのトレーニング

ちょっと長くなりますから、この項目に分けて、3日にかけて書く事にします。

ではます、@の労働委員会制度そのものの意味からの話
最初に、見ていただくのは、労働委員会規則第32条です。ここに、救済申立の方法が書いてあります。その3項に、「申立は、口頭によってでも行う事が出来る。この場合、事務局は、前項各号に掲げる事項を明らかにさせ、これを録取し、読み聞かせた上、署名又は記名押印させなければならない。録取した書面は申立書とみなす」という記載が有ります。私もさずがに口頭申立はした事は有りませんが、法律上、口頭申立が出来るのです。言い換えれば、文書が書けなくても、労働委員会に申し立てる事が出来るし、労働委員会の救済を求める事が出来るのです。これはそもそもが、労働委員会制度というものは、代理人弁護士制度をあらかじめ予定していない制度だからです。

 次に、文書が書けなくても救済を求める事が出来る制度であるのは、何故かという事です。
労働委員会制度のそもそもの位置づけを考えてみましょう。
そもそも、労働委員会制度とは、どの法律に規定されている制度かというと「労働組合法」第4章に規定されている制度です。多くの弁護士さんが労働委員会制度を苦手とする理由は、一部の弁護士さんを除いては、労働組合法をご存知ないからです。最近新たな分野として労働問題を担当し始める弁護士さんも多くいらっしゃいますが、その殆どは個別労使紛争(個人の労働者が自分の権利侵害についてのみ、交渉を求める紛争)しか経験が有りません。何故か。それは、個別労使紛争は弁護士さんが得意とする一件解決の民事訴訟法による解決ですが、労働組合法における交渉とは、経営と労働組合が争ってみたり、握手してみたり、労働者が働き続けていく限り続く長い長い期間の、お互いの人間性に触れざるを得ない交渉だからです。闘ったとしてもその後に信頼関係が生まれたり、許し合ったり、かなり人間くさい交渉ですね。それこそ「弁護士さん」任せにしてしまったら、労使関係は築けない代物です。労使紛争が長期化してしまう困った経営者には、このタイプ、自分の力で労使関係を切り開こうとしないで「弁護士先生」「顧問の先生」頼みにしてしまう方が多くいます。そして、それはまた逆も真なりで、労働者も労働組合も然りです。労使も、人として向き合う事がまず最初です。

 脇道にそれましたが、そこで、労働組合法です。労働組合法は、労働組合に加入していない労働者には無縁の法律です。そのかわり、労働組合に加入している労働者にとってはとっても心強い法律です。この労働組合法第1条にはこのように記載されています。「この法律は、労働者が使用者との交渉において対等の立場に立つことを促進することにより労働者の地位を向上させる事、労働者がその労働条件について交渉するために自ら代表者を選出することその他の団体行動を行うために自主的に労働組合そ組織し、団結する事を擁護すること並びに使用者と労働者との関係を規制るす労働協約を締結するための団体交渉をする事及びその手続きを助成する事を目的とする」一言にまとめると、労働組合が労使対等の立場にたって団体交渉を行う事を助ける事を目的として法律です。

労働組合が労使対等の立場に立たないと、労働者の地位の向上をさせれないという法律なんです。

労働組合が労使対等の立場に立つ、一言でいうと簡単そうですが、これはなかなか、経営側の反発に合うのですよ。多くの経営者は自分が雇った使用人たる労働者と何で対等の立場にたたなければならないのか?と労働組合が出来るとまず反発します。だから、団体交渉でも労働者を呼び捨てで読んだり、上から目線で見下したり、十分な説明をしないで交渉を打ち切ろうとしたり、様々な「労使対等」の否定をしてきます。

ですので、私は労働組合を結成した時、一番最初に心がける事は、「労使対等の交渉」が出来るレベルを目指して交渉する事です。うちの組合員が呼び捨てにされたり、からかわれたり、適当にあしらわれたりする事を許さない事から始めます。そんな時に、もし、労働組合を結成した事を理由とした解雇とか、賃金カットとか起きたら、直ちに動かないといけません。この時に、時間がないとかお金がないとか考える余地は有りません。つまり、不当労働行為は起きたらばすぐに救済を求めないと、労使対等の交渉に行き着かないのです。内容によっては、不当労働行為が発生した翌日に申立をしなければならない事が有ります。そんな時のための、口頭申立を法的に保障しているのだと、私は考えます。緊急的な問題が発生した時に、忙しい弁護士さんに予約を取って、それから事態を説明して、申立書を書いてもらって、といった悠長な事をしていては、間に合わないときが有るのです。それは、「不当労働行為はやり得」という言葉が経営側に有るように、不当労働行為をして、本人が諦めてしまえば責任を問われないからです。

労働委員会制度というのはまとめていえば、あらかじめ代理人制度を予定していない、口頭でも申立が出来る制度で、それは労使による対等な交渉に行き着くために排除しなければならない不当労働行為に即応で対応することが求められているからだ、という事です。

ABはまた明日にでも。

タグ:労働委員会
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2012年11月07日

解雇事件が長引くとバックペイの金額が増えます  東京プラント中労委

昨日、1昨日と続けて中央労働委員会の期日でした。しかも、昨日は西武Dayでした。午前が西武バスの都労委、午後が西武バスの中央労働委員会だったのです。

1昨日の中央労働委員会は東京プラント事件でした。東京都労働委員会で、K君の解雇が不当労働行為であると認定され、職場復帰、バックペイ(解雇されてから解決するまでの賃金)の支払いが命じられたにもかかわらず、会社が命令に従わず、中央労働委員会で係争になっている事件です。しかも、この事件、会社が中央労働委員会に申し立てているのですが、新たな証拠もだされていませんし、会社側から証人申請もされていません。つまり、和解しなければ結審です。で新たな事実が申し立てられていないので、会社側が勝利する可能性はとっても低いものです。しかもしかも、解雇事件ですから、バックペイはどんどん嵩んできます。
今回の期日で中央労働委員会から和解勧告が出されたのですが、会社は決断しませんでした。
ですので、次回は12月で結審です。
12月に結審という事は、来年夏前には命令が出る事になり、現在で3年半のバックペイが、命令が出される頃には4年分のバックペイの支払いが必要になります。さてこの事件、会社はどうするつもりなんでしょうか。



西武バス事件については明日ご報告します。
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2012年10月24日

労働組合の役割 労働協約

例えばもし、労働組合の無い職場に働くあなたが職場で突然に住居の移動を伴う配置転換を命じられたとします。会社に何のルールも無い場合、引っ越し費用はどうしたらいいのか、引っ越すための手続きは有給で保障されるのか、基本給は変わらないと思うけれど手当てはどうなるのか。いろんな事が気になります。そこで上司に話してみると、総務部に言って話して来いといわれます。総務部の課長に話すと、「わからない」といわれてしまい、とりあえず相談するから待ってて欲しいと言われてしまいます。不安な数日を過ごし、配置転換命令に「YES」とは回答していないのに、配置転換は既成事実として仕事の引き継ぎだけは進みます。自分の生活はどうなるのか?と再度総務部に問い合わせると、迷惑そうにして口頭で説明が有ります。ところが、給料日になって賃金明細を確認すると口頭で説明された事と違っています。総務に再度問い合わせると、口頭で説明した後に、会社の方針が変更になったと言われ、泣き寝入りです。


これがもし、労働組合が存在するとどう変わるかというと
まず、「事前通知、協議」の人事約款がある労使関係であれば、配置転換をする旨の連絡が組合に来ます。そして、労働組合と会社とで協議をします。
人事約款が無い労使関係であったとしても、あなたが不安を抱えていれば、組合に相談すると良いのです。もしかしたら、配置転換の時にどのような条件になるのかの労働協約をもっているかもしれません。労働組合が既に労働協約として約束している事があれば、会社と交渉しなくてもその協約が労働組合員には適用されます。
労働協約が無い場合でも、組合員の不安を聞いて、組合が会社と交渉をします。労使関係のあり方によって、労使協議会での交渉になるのか、団体交渉になるのか異なりますが、よっぽど「?」がつく労働組合でなければ会社と交渉します。もし仮に、交渉してくれないような労働組合で有れば、自分たちで新たに労働組合を作れば良いのです。
そして、団体交渉、労使交渉で話した内容は「労働協約」という協定書に作成され、会社と労働者のルールになります。
仮にもし、団体交渉で合意しても。協定書を締結しない経営がいれば、それは不当労働行為という労働組合法第7条の違反になります。
更に、組合が同意していないのに、強制的に会社の決定事項だけで進めようとし、会社の回答内用を強制的用してきたら、それも不当労働行為になります。

きちんと機能する労働組合が有れば、労働条件について会社と交渉し、同意の後に労働協約となって、労働条件のルールが出来上がります。そうなれば、口頭の約束が破られて泣き寝入りする事はもう無くなります。

もし職場に労働組合が無いのならば、気持ちよく働き続ける為に、相談にいらっしゃいませんか
タグ:労使協約 
posted by REI at 14:27| Comment(0) | TrackBack(0) | 組合用語解説