2012年10月25日

誰かが個人で残業代を請求した痕跡

いろいろな職場の労働相談を受けて、就業規則を拝見すると、不自然な変更が見つかる事が有ります。残業代計算の変更が殆どですけれども、巧妙に未払いが発生しない、ただし低賃金な就業規則が出来上がっています。

いままで残業代を払わいで支払っていた賃金総額を、残業代を加えた賃金総額とイコールに結ぶやり方です。この方法、長時間働く事で低賃金をなんとかカバーして生活している人たちは結構騙されます。一件労働時間が同じて手取りが同じに見えるからです。
でもこのやり方には落とし穴が有ります。

どんな落とし穴かというと、仕事が薄くなる、景気が悪くなる、などが有ると、残業代部分は減少します。文句を言っても「仕事が無いからしょうがない」と言われてしまう減少です。

もし、その残業代部分が固定給であったならば、とりわけて基本給で有ったならば、仕事が薄くなっても景気が悪くなっても、基本給は下がりません。固定給であれば、その金額を下げる事は労働条件の不利益変更となり、労働契約法で規制されます。
目先の、日々の生活のお金に追い立てられて生活していると、そんな事、気がつかないで事態が進みますよね。

そういうわけで、労働組合として今後の賃金体系を見据えないで、個人で残業代を請求して会社を去るというのは、残る労働者仲間に対してあんまり良いお土産を残しません。誰かが残業代の請求をして、そのおこぼれの未払い金額をもらえる事もたまに有りますけれど、その時に、今後の給料体系がどうなるのか、立ち止まって考えてみてください。

会社にとって、一時払いの金額は、そのときは痛いけれど、これからの賃金額が押さえられれば取り返せます。働く者の方はというと、目先の一時金で、将来の豊かさを手放す事態だけはさけないと、後悔しても取り返せません。

会社に未払い残業代部分がある事を、同じ職場の人が発見した時、「会社に残業代請求するなんてどんな仕返しが有るか分からないから怖い」なんて思って、自分だけは会社に従順でいようと思っても、それは自分の労働条件に直結する就業規則、賃金の支払い方法が変化する事につながります。その時に、会社の言う事を聞く労働者だから特別扱い、というのはまず有りません。
いっしょに立ち上がって交渉しましょう!
posted by REI at 11:41| Comment(0) | TrackBack(0) | 団体交渉