昨夜は労働委員会事件の後、団体交渉でした。労働委員会も団体交渉も2件ともハラスメント関連事件です。
労働委員会事件は、エイコーという酒問屋の事件です。
元々は就業規則問題及び協定書問題でしたが、先月、当組合組合員Tさんが上司から他の従業員の面前で罵倒される事件が勃発し、急遽ハラスメントとその労災問題が浮上しました。Tさんは上司の発言によって会社に行かれなくなってしまったのです。
団体交渉の討議内容に絡む問題で罵倒を受けたので、不当労働行為であり、ハラスメントであり、労働災害であり、と組合としては判断しました。そこで労災申請を行い、労働委員会に追加申立をすることにしています。とはいえ、受けた心の傷は深く、Tさんの涙が止まりません。とにかくハラスメントが起きない職場づくりが一番大切です。
団体交渉の事件は、某カード会社でのハラスメント事件でした。
Yさんは2016年から被害を受け、最初は職場のハラスメント窓口に訴え、改善されなかったために弁護士を頼んで会社と交渉をしていました。それでも解決に至らなかったため、この秋に私たちの組合に相談に来ました。相談を受けた時、「ハラスメントの事実を記載した資料はありますか」とYさんに尋ねると、「100枚くらいありますが、読んでもらえますか」と言われました。それは彼女が自分が受けた被害を理解してもらうための努力の跡でした。ハラスメンを受けて、体を壊してしまったYさんは、本当になんとかしたいと思っていたのでした。
でも、弁護士さんを頼んでの交渉は「ひとりぼっち」のままだったようでした。
私たちの組合では、ハラスメントを受けて個人加入してくる女性がたくさんいます。先月末に個人で加入した人たちの集まりで、お互いに励ましあった後に、「社内でひとりだったのに、ひとりじゃなくなったみたいでうれしいー」というLINEを送ってきてくれました。そして昨日の団体交渉の後では「今まで進展がなく暗礁に乗り上げていたようですが一筋の光明が差したようでした。」「私が長い間溜め込んでいた感情を相手に受け入れやすいように代弁して下さった時はちょっと泣きそうになっちゃいました」という感想をLINEでいただきました。
そしてこの彼女の第1回団体交渉を励ますLINEのやりとりも他の組合員からもあったようでした。
上司とその上司に忖度する同僚らによって、孤立させられがちなハラスメント事件にあって、助け合うこと、励ましあうことができるのは労働組合の力です。そして、私たちの労働組合は豊富な経験によって、当事者の気持ちに寄り添う交渉をしています。不誠実な対応を禁止する、労働組合法第7条2項を味方にして、力強い交渉をすることも出来ます。
とっても辛い気持ちにさせられるハラスメント事件だからこそ、労働組合で一緒に交渉をしていきましょう。
2019年12月10日
2018年09月15日
一人でも組合に入れば、労働条件改善を目指して団体交渉できます
今週は個人加入の方達の団体交渉がいくつかありました。個人で加入される方の問題は様々。それでも、類型的に整理していいくと傾向が見えてきます。
最近の私たちの組合では解雇問題は本当に少なくなりました。
解雇事件というもの、景気が悪くなると目に見えて増えます。それも、本人責任の無い経営危機を理由とした解雇、人件費削減のためだけの解雇です。そのような解雇は比較的早期解決を狙えます。反対に景気が良くなると、社風に合わない、協調性が無い、などの解雇が増えます。そんな事件は、ボタンのかけ違い、気持ちの行違いが多いので長期化することもよくあります。
ただ、解雇事件だと、事件が終わると組合からも卒業される方も多く、寂しい限りです。
そんなことを考えると、最近、解雇よりも職場の問題改善の為に会社と交渉される方が多いのは、とっても良い傾向だと思います。解雇という最終事態になる前に、組合に相談して、一つづつ解決していく事が、一人でも安心して働き続けられる職場づくりに繋がります。
9月になってからの個人加入組合員の団体交渉議題はこんな感じでした。
Dir社 配転問題・一時金・昇給・未払い残業代・パワハラ
Mr社 一時金・有給休暇取得後の手当減額
Mt社 労働者性のある労働者の個人事業主問題・未払い残業代
今後予定され団体交渉もこんな感じです。
E社 就業規則変更と不利益変更問題
T大 パワハラ・アカハラ
Mクリニック パワハラ・残業代未払い
Diw 社 一時金
他にも色々とありますが、残業代未払いとパワハラが多い気がします。
それでも、個人組合の人たちの集まる会議でお互いに知り合い、助け合っています。
パソコンが苦手な人は、パソコンが得意な人の手を借りて残業代の計算を終え、お互いの団体交渉に行きあい、一人で加入しても組合の中で助け合える仲間を見つけているようです。
組合で交渉を始めた当時は、心の病で「会社に行かれない」「もう退職する」と泣いていた彼女が今では、団体交渉で会社側を詰めまくること詰めまくることで、「今が一番居心地がいい」と言うようになったりしています。
「ブラック企業に働いているけれど、皆、諦めてしまって仲間がいない。」とお悩みの方、勇気を出して一人で一歩を踏み出して見ませんか?
最近の私たちの組合では解雇問題は本当に少なくなりました。
解雇事件というもの、景気が悪くなると目に見えて増えます。それも、本人責任の無い経営危機を理由とした解雇、人件費削減のためだけの解雇です。そのような解雇は比較的早期解決を狙えます。反対に景気が良くなると、社風に合わない、協調性が無い、などの解雇が増えます。そんな事件は、ボタンのかけ違い、気持ちの行違いが多いので長期化することもよくあります。
ただ、解雇事件だと、事件が終わると組合からも卒業される方も多く、寂しい限りです。
そんなことを考えると、最近、解雇よりも職場の問題改善の為に会社と交渉される方が多いのは、とっても良い傾向だと思います。解雇という最終事態になる前に、組合に相談して、一つづつ解決していく事が、一人でも安心して働き続けられる職場づくりに繋がります。
9月になってからの個人加入組合員の団体交渉議題はこんな感じでした。
Dir社 配転問題・一時金・昇給・未払い残業代・パワハラ
Mr社 一時金・有給休暇取得後の手当減額
Mt社 労働者性のある労働者の個人事業主問題・未払い残業代
今後予定され団体交渉もこんな感じです。
E社 就業規則変更と不利益変更問題
T大 パワハラ・アカハラ
Mクリニック パワハラ・残業代未払い
Diw 社 一時金
他にも色々とありますが、残業代未払いとパワハラが多い気がします。
それでも、個人組合の人たちの集まる会議でお互いに知り合い、助け合っています。
パソコンが苦手な人は、パソコンが得意な人の手を借りて残業代の計算を終え、お互いの団体交渉に行きあい、一人で加入しても組合の中で助け合える仲間を見つけているようです。
組合で交渉を始めた当時は、心の病で「会社に行かれない」「もう退職する」と泣いていた彼女が今では、団体交渉で会社側を詰めまくること詰めまくることで、「今が一番居心地がいい」と言うようになったりしています。
「ブラック企業に働いているけれど、皆、諦めてしまって仲間がいない。」とお悩みの方、勇気を出して一人で一歩を踏み出して見ませんか?
タグ:労働条件向上
2012年10月25日
誰かが個人で残業代を請求した痕跡
いろいろな職場の労働相談を受けて、就業規則を拝見すると、不自然な変更が見つかる事が有ります。残業代計算の変更が殆どですけれども、巧妙に未払いが発生しない、ただし低賃金な就業規則が出来上がっています。
いままで残業代を払わいで支払っていた賃金総額を、残業代を加えた賃金総額とイコールに結ぶやり方です。この方法、長時間働く事で低賃金をなんとかカバーして生活している人たちは結構騙されます。一件労働時間が同じて手取りが同じに見えるからです。
でもこのやり方には落とし穴が有ります。
どんな落とし穴かというと、仕事が薄くなる、景気が悪くなる、などが有ると、残業代部分は減少します。文句を言っても「仕事が無いからしょうがない」と言われてしまう減少です。
もし、その残業代部分が固定給であったならば、とりわけて基本給で有ったならば、仕事が薄くなっても景気が悪くなっても、基本給は下がりません。固定給であれば、その金額を下げる事は労働条件の不利益変更となり、労働契約法で規制されます。
目先の、日々の生活のお金に追い立てられて生活していると、そんな事、気がつかないで事態が進みますよね。
そういうわけで、労働組合として今後の賃金体系を見据えないで、個人で残業代を請求して会社を去るというのは、残る労働者仲間に対してあんまり良いお土産を残しません。誰かが残業代の請求をして、そのおこぼれの未払い金額をもらえる事もたまに有りますけれど、その時に、今後の給料体系がどうなるのか、立ち止まって考えてみてください。
会社にとって、一時払いの金額は、そのときは痛いけれど、これからの賃金額が押さえられれば取り返せます。働く者の方はというと、目先の一時金で、将来の豊かさを手放す事態だけはさけないと、後悔しても取り返せません。
会社に未払い残業代部分がある事を、同じ職場の人が発見した時、「会社に残業代請求するなんてどんな仕返しが有るか分からないから怖い」なんて思って、自分だけは会社に従順でいようと思っても、それは自分の労働条件に直結する就業規則、賃金の支払い方法が変化する事につながります。その時に、会社の言う事を聞く労働者だから特別扱い、というのはまず有りません。
いっしょに立ち上がって交渉しましょう!
いままで残業代を払わいで支払っていた賃金総額を、残業代を加えた賃金総額とイコールに結ぶやり方です。この方法、長時間働く事で低賃金をなんとかカバーして生活している人たちは結構騙されます。一件労働時間が同じて手取りが同じに見えるからです。
でもこのやり方には落とし穴が有ります。
どんな落とし穴かというと、仕事が薄くなる、景気が悪くなる、などが有ると、残業代部分は減少します。文句を言っても「仕事が無いからしょうがない」と言われてしまう減少です。
もし、その残業代部分が固定給であったならば、とりわけて基本給で有ったならば、仕事が薄くなっても景気が悪くなっても、基本給は下がりません。固定給であれば、その金額を下げる事は労働条件の不利益変更となり、労働契約法で規制されます。
目先の、日々の生活のお金に追い立てられて生活していると、そんな事、気がつかないで事態が進みますよね。
そういうわけで、労働組合として今後の賃金体系を見据えないで、個人で残業代を請求して会社を去るというのは、残る労働者仲間に対してあんまり良いお土産を残しません。誰かが残業代の請求をして、そのおこぼれの未払い金額をもらえる事もたまに有りますけれど、その時に、今後の給料体系がどうなるのか、立ち止まって考えてみてください。
会社にとって、一時払いの金額は、そのときは痛いけれど、これからの賃金額が押さえられれば取り返せます。働く者の方はというと、目先の一時金で、将来の豊かさを手放す事態だけはさけないと、後悔しても取り返せません。
会社に未払い残業代部分がある事を、同じ職場の人が発見した時、「会社に残業代請求するなんてどんな仕返しが有るか分からないから怖い」なんて思って、自分だけは会社に従順でいようと思っても、それは自分の労働条件に直結する就業規則、賃金の支払い方法が変化する事につながります。その時に、会社の言う事を聞く労働者だから特別扱い、というのはまず有りません。
いっしょに立ち上がって交渉しましょう!