2013年05月22日

労働組合の和解協定書と判決、命令との違い

最近の労働相談の特徴で、労働者が個人でいろいろと交渉して、どうにもならなくなって、相談に来られる事案があります。
経営者との直接の交渉で口約束をして約束が破られたケース、それでいろいろな官庁、税務署や労働基準監督署に訴えてうまくいかないケース。
私達から見ると職場の仲間と相談して改善の一歩を団体交渉で踏み出すのがセオリーですが、多くの人がさまよってしまっています。何故?
労働者と経営者との「対等な」交渉を初めから諦めて、権力によって経営者に言う事を聞かせたいと思うところに追いつめられている現状があります。そこには、労働者の声に耳を傾けようとしない経営者がいます。経営者であれ、労働者であれ、話を聞いてくれる相手であれば、力で相手を押さえつけようとは思いません。
労使は鏡と言いますが、力で労働者を押さえつける経営者のもとで、労働者は経営者を上回る力によって経営者を押さえつける事を夢見るわけです。ほとんど、水戸黄門の印籠を探し歩くみたいなものです。でも、水戸黄門の印籠がドラマの中の「お話」にすぎないように、弱い労働者の為に闘ってくれる「権力」は存在しないと思ったほうが正解です。権力とお金が、労働者を更に弱い存在にする「法律」や仕組みをつくり続けているのが、今の世の中だからです。

じゃあどうしたらいいのか?というと、結局は労働基準法、労働組合法が定めている「労使対等の原則」を持った団体交渉を行うために、あらゆる労働組合活動を駆使して、協定書を作成するのが一番の早道です。
何故かというと、労使対等の原則の結果、労使で締結する「協定書」は、お互いの交渉の結果締結したもの。自分が納得して署名捺印したものであれば、守ろうとするのが基本です。たまに自分が締結した「協定書」の存在を忘れてしまい、約束を違える経営者もいますが、それでも協定書を基に、再度、遵守を働きかければ少しづつでも改善していきます。
そして協定書は「歩み寄り」の産物です。お互いに歩み寄って、過去の遺恨から将来の労使関係を展望するわけです。人間は急に大幅に変わる事が出来ませんが、少しづつなら変わる事が出来ます。

訴訟や労働審判でも、判決や命令で争いは終結しませんが、和解であれば争いは集結します。ただし、訴訟上での和解は将来の労使関係についての約束は通常入りません。離婚のように、お別れが前提の和解が多いいのも特徴です。労使関係で「お別れ」というのは、労働者が退職をする事です。それが幸せな場合もありますが、なんとなく、「腐ったみかんは箱の外」って感じで、権力で労働者を押さえつける職場風土は変わらないままですよね。
私も判例を読むのは大好きなんですけれど、その判例のその後についても知るようにしています。というのは、労働者側が勝った判例があっても、労働者や労働組合がその後職場で「労使対等の労使関係」が作れたかというと、必ずしもそうでもなく、組合が潰れてしまったところすら存在します。反対に、労働者が負けた判例であっても、その後の労使間交渉で勝利的な和解をし、良好な労使関係がつくれているところもあります。
人間誰しも、「勝ちたい」もの。ついつい、勝った負けたとか、悔しいという感情にとらわれてしまいます。けれども、長い目で見て何が最善の状態になるのかを考えた時、自分が「勝ち過ぎ」た時には、必ず「負け過ぎ」た相手が居て、それが「恨み」につながる事が有る事も覚えておいた方が良いと思います。
私も昔、自分の労働争議の終結のとき、自分の心をまとめるのがとても大変でした。一度上げた「こぶし」を降ろす時、理性とは別のところにある「感情」がなかなか言う事を聞いてくれないものです。
けれども労使双方で相手を叩き潰すまで、自分が勝つまで、譲らないとして争った結果、何も残らないという事も良く有る事です。
過去に、労働組合を潰す為に会社を潰した弁護士も居ましたが、その会社は結局、再生しませんでした。労働者も辛い気持ちで離散しました。
私達の組合はいわゆる「労使協調」の労働組合ではありません。それなりの闘いもします。訴訟も当然に抱えています。でも、訴訟は団体交渉、団体行動といつも共同の歩みをしています。そして、様々な事があっても、「労使対等の信頼関係」を築く事が出来れば、何よりも前進につながります。私達の顧問弁護士事務所はそのような労働運動についてよく理解していただいています。
ですので、訴訟だけで「白黒はっきり」を推奨する弁護士さん等とは、労使関係や労働条件について「言う事をきかせるのか」VS「労使対等の信頼関係をつくるのか」という意味で異なっています。

 
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2013年05月16日

労働組合の権利を使いこなそう

人の住まない家は朽ち果てていきます。
使わない道具は錆びてしまいます。
権利も同じです。

権利の上に眠るものは権利を得ず。という原則の話ではありません。
権利の扉も錆びてしまう。そんな話です。

ちょっと回りくどい書き方をしてしまいました。
労働組合に入る、結成する、という事であなたは「団結権」「団体行動権」「団体交渉権」という労働3権を手に入れる事ができます。
でもこれらは抽象的な権利です。この抽象的な権利を、具体的にするために、同じ組合の仲間と語り合って、励ましあって、一緒に頑張ろうねって話します。仲間を裏切らない!って思えたら、抽象的な団結権が目の前の仲間に現実化されているわけです。

で、今回問題なのは、「団体行動権」です。
組合のみんなと行動する権利なんですけれど、これは世に連れ人に連れ。使わないでいるとどんどんと錆びてしまう権利なんです。労働者がうっかりこの権利を錆びさせてしまうと、判例や会社側の弁護士が「経営権」を拡大させて、労働者の闘う権利を小さくさせて、闘えないようにしてしまうってわけです。

なんでこんな事を書いているかというと。
今週月曜日13日に青伸グループ分会で一日ストライキをやりました。残業代で生活している運輸労働者の労働時間を補填なく削られそうになった事をもって、行動を起こしました。東京都労働委員会に申立を行い、ハローワークに言って求人票の差し止めを行い、組合旗を掲揚するという行動でした。

なんだかみんなで旅行しているみたいに、車を連ねての行動はとっても楽しそうでした。青伸グループ分会の良いところは、何をやっても楽しそうに組合活動をしているところです。

そんな中で、ふたつばかり、労働組合はしっかり頑張んないといけないねえ、と思う事がありました。
ひとつは、職業安定所の求人募集広告を職業安定法20条に基づき止めに行ったときの事。
ハローワークの人が「だいぶまえに一回止めた事があったけれど、あんまり青梅では無いから本局に問い合わせないとわからない」と言いました。そうかあ〜。青梅ではあんまりないのか。府中ではこの4月にも1件止めたし。と思いつつ。そういえば2000年にも青伸で求人止めたなあと思い、「もしかしたら、前もここ(青伸)ですか?」と聞くと、「ああそうそう」と言う返事。

労働力交渉は、売り手と買い手のバランスだから、求人は交渉においてかなりのキーポイントなんですけれどね。

次に、旗出しです。
組合旗掲揚は、団結権の象徴としての旗を掲揚する事で、闘いの存在をしめします。
社会的に、今、ちょっと闘争中です、ということを示して行く効果があります。
以前は春闘期間中の組合旗掲揚は日常茶飯事でしたが、今はだいぶ減っています。

青伸では組合旗を「勝手に取らない」と会社が約束した協定書があります。

協定書締結当時、判例では、会社が勝手に期間を置かずに組合旗を外したら不当労働行為だという判例だけがありました。時が経て、協定、慣行があるのに外した時に不当労働行為になるという判例が出ました。

この団体行動権が後退しつつある現状の中で、何が出来るのか。
組合旗が取られたら、また旗を出す。いたちごっこのようですが、権利はしぶとく追求しないと手に入りません。
団体交渉の力の背景に団体行動権が憲法28条に規定されたのは、世界中の労働運動の歴史の中からの教訓から、労働者の権利向上のために必要な権利は、交渉することと、交渉する時に持てる力を労働組合の権利をして制定する必要があったからです。団体交渉権だけでは、労使対等の権利、要求実現にむけては、お金も権力もたくさん持っている経営者に立ち向かう事が困難です。そこで、団体交渉の力を後押しするための団体行動権、出来る事、出来ない事を常に判断しつつも、錆びさせないように使っていきましょう。
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2013年04月23日

労働災害の相当因果関係

障害者が働く、リターナブル瓶を洗浄している施設で、壁一面に黒カビが発生してしまいました。そこで働くiさんは黒カビ発生後、目にかゆみを覚え、理事会に黒カビの除去を再三訴えましたが、取り合ってもらえませんでした。そのうちに、立っている事も辛い程の痛みになりました。黒カビが原因であると彼は訴えたのですが、理事会の返事は「パッチテストなどして、因果関係がわかるまでは取り合わない」という事でした。

そこで彼は黒カビを持って病院に行き、検査を求めました。主治医から大学病院を紹介され、大学病院に行きましたが、病院の答えは「どんな症状がでるかもわからない黒カビで、パッチテストをするのは危険すぎるので、そのような検査は出来ない」という事です。ちょっと考えてみれば当たり前です。飛翔したカビの胞子で目にかゆみや痛みを訴えているです。その黒カビを肌に塗布したら、どんなアレルギー反応がでるかわかりません。そんな危険な事を、さも当たり前のように発案する事自体、おかしいですよね。

そんな経過でパッチテストは出来ませんでしたが、理事会はパッチテストをしていないので相当因果関係が無いから労働災害ではない。他の人は黒カビを原因として目に異常を覚えていないから、労働災害ではない、と相変わらず言っています。

主治医の先生に尋ねると、「黒カビが発生している場所にいくと目の症状がひどくなるので、相当因果関係がある」と言ってくれました。
この間約5年くらいかかっています。
そして、今年ようやく、団体交渉の結果、黒カビの壁は、黒カビが除去される事になりましたが、これまで除去されないできました。

主治医の先生の言葉に気持ちを強くし、今年の3月にようやく、労災申請を行いました。
ところが、理事会は、「雇用主」の欄への署名すら拒否したので、本人申請することになってしまいました。
iさんは目のかゆみ、痛みに長く苦しんできたうえ、労災申請用紙に署名すら拒否されたことにとても辛い思いを重ねることになりました。

非営利団体、障碍者の為の福祉施設なんですから、もう少し従業員に優しくしてもらえれば、良好な関係なのにと、とっても残念でした。
添付の写真は問題の壁一面の黒カビです。
5月から、労働基準監督署交渉が始まります。SN3R0058.jpgmini_130315_0540.jpg
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2013年04月05日

日本ヒューレットパッカード分会で先週、訴訟提訴しました。 日本ヒューレットパッカード分会で賃金請求訴訟

先週金曜日、3月29日に、日本ヒューレットパッカード分会の大島さんが東京地方裁判所立川支部に賃金請求訴訟を提訴しました。
内容は、なんどかこのブログにも書いてきた、人員再配置プログラム(WFR)という名称で、会社の内外で仕事を探してくださいという、実質退職勧奨プログラムを断った事により、降格があり、40%もの月額賃金削減をされてしまったというものです。

大島さんは私達の組合に加入する前にお一人でこの人員再配置プログラムを断り続けてきました。退職勧奨を断ると、降格減給となるとなれば、退職勧奨が断れない退職勧奨になってしまいます。
私達は団体交渉を通じても、この人員再配置プログラムに対して是正を求め続けますが、大島さんをトップバッターに、抗議の声をあげて行く予定です。この訴訟を受けて、読売新聞と毎日新聞が記事を掲載してくれました
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2013年03月25日

3月末の駆け込み労働問題 雇い止め 

今年の4月1日の法律改定は雇用身分に関わるものなので、ある一定の状況にある人たちにはとっても大きな境目になります。
その一つは、有期雇用労働をしている人たちです。
労働契約法の改定で、5年間の反復更新で期限の定めの無い雇用になる事の、5年カウントの初年度、スタートラインが今年の4月1日です。この有期雇用を、期限の定めの無い雇用にする事について、面白く思わない経営者はこれから5年の間になんとか理由をつけて雇い止めしてしまえばいいや、と考えたり、先走って今から気に入らない労働者を雇い止めしてしまおうとしているようです。

ここのところ、そんな雇い止めの相談が増えています。

しかし、昨年の8月10日公布と同時に施行された労働契約法の改定の中には、判例の法制化があります。どのような判例かというと、一つは契約が反復更新されて期限の定めの無い契約と同等に判断される、二つ目に長期雇用が期待された有期雇用の場合は期限の無い契約と同等に判断される判例です。

自分や職場の人たちが5年、10年と契約が更新されつづけている、「長く働いていてね」とか、「正社員にならない?」とか、と言われていたら、「雇い止め」は解雇と同じ重さになります。解雇と同じ重さ、というのは「社会的合理的理由の無い解雇は無効」という縛りがあるという意味です。
「理由はないけれど、契約期限がきたから」という理由では、解雇と同等の「雇い止め」は出来ないのです。「嫌いだから」「生意気だから」「今のうちに雇い止めしときたいから」という理由での「雇い止め」も、期限の定めの無い雇用と同等に判断される場合は出来ません。

もし、こんな雇い止めにあったら、すぐに相談してくださいね。組合は、あなたと一緒に交渉して雇い止めを撤回させる事が出来ます。





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2013年03月21日

労働者に「辞めます!」と言わせるいやらしい退職のさせ方と闘うために労働組合が役に立つ事。

退職勧奨、解雇の相談を受けていて、最近増えたな、と思うのが、労働者に「辞めます」と言わせる方法での、実質解雇の手法です。解雇を通告してしまうと、私達のような個人加入のできる労働組合に駆け込まれて団体交渉を申し込まれてしまったり、裁判で「解雇無効」の判決がだされて膨大なバックペイの支払いが必要になったり。そこまで行かなくとも、解雇予告手当を支払う事が勿体ないという経営者もいます。
けれども、最近感じるのは、どうも責任を取りたくない、クビを宣告することで恨まれたくない、まとめて言えば、人一人辞めさせるというのに、自分自身はまったく傷つきたくないという経営陣が増えているなあということです。これがもし、リスク回避の方法であると、労務の先生達に教えてもらっている事だとしたら、それは大間違いなんですよ。

何故か。
まず、本人が「辞めます」と言ったとしても、いじめ、パワハラによって退職に追い込んだものであれば、離職表の「自己都合退職」の会社記入に、労働者は「異議」を出し、ハローワークの職権で「会社都合」に書き換え、会社都合として扱ってもらう事が出来ます。ですから、労働者から「異議」が出されれば、ハローワークに釈明に行かないといけません。

次に、もしも、そんな辞めさせ方をして、成功(労働者がうまい事退職する)しても、成功しなくても(労働者が結局辞めない)なんて事になっても、その労働者が心のバランスを崩して病気になったら、会社は労災責任を問われます。場合によっては、安全配慮義務違反で損害賠償請求だってかけられてしまいます。これは単なる解雇や、退職勧奨では起きない事態です。自己都合退職に追い込むために、策をこらした結果、会社が請求されてしまう事です。

さらに、いじめの起きたた時点、退職前に労働組合に相談してもらえれば、いじめを止めさせ、その責任を取らせる交渉をする事が出来ます。もしも、退職してしまった後でも、著しいパワハラで追いつめられたのであれば、泣き寝入りする必要はありません。

私は、労働者自らが「辞めます」と言わざるを得ないほど、会社が組織ぐるみで追いつめ、自己都合退職に追いやる方法は、人権侵害だと思います。経済的利益のために、人の心を潰す行為は、人としてやっては行けない事。

労働組合の団体交渉でやれる事は、思っている以上に広いんです。

そして、これが一番大切な事ですが、「辞めます」と決意してしまう前に、回りを見回したり、私達のような労働組合に相談する事で「1人じゃない」と思えたら、少し心が軽くなって追いつめられなくてもよくなるかもしれません。
そしてさらに、もし、同じ職場で同じような目にあっている人と出会えて、一緒に会社と交渉する事ができれば、こんなひどい辞めさせ方にstopをかける事ができる可能性が開けてきます。

私は、あなたがもし、10人の敵(あなたを辞めさせようとしている会社の人たち)を目の前にした時に、手を差し伸べる1人でありたいと思っています。
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2013年03月06日

お給料とプライド、または人間の尊厳

新しい労働組合結成の相談を受けた時、給与明細を出してもらいます。残業代が正しく計算されているのか、給与システムがどの様になっているのか、基本給のシステムがどの様になっているのか、確認するためです。そうすると、他の分会の人には見せないでくださいと言って封筒にいれて封をしてくる人がいたりします。「どうして?」と聞くと「恥ずかしい」と言います。本当に恥ずかしいのは、低賃金で働かせている会社だと思うのですが、労働者はこんな低賃金で恥ずかしいと思ってしまうのです。労働者の気持ちには、こんな低賃金のところでしか働けない自分が恥ずかしい、査定が低くて恥ずかしい、と、まるで給与明細が成績表みたいに、自分の評価みたいに思わされる習慣がついてしまっています。
このような思いが、どの様な副作用をもたらすのかというと、能力よりも遥かに低い給与は人を病気に追い込みます。自己が評価されていないと感じるからです。つぎに、ある程度の賃金水準の人のほうが、低賃金の人に比べて権利主張は旺盛のなります。低賃金に置かれ、生活を切り詰めているのだから、もっと権利主張してもよいのに、自信が持てなくて我慢してしまうのです。

低賃金で働かせている経営者はそのことをもっと恥じ入らないといけません。もっともらっていいし、胸を張って賃上げ要求しましょう。
先日、立川駅で春闘デモのチラシ配布をし、物価だけ上がっても給料が上がらないと生活出来ないと、訴えたらそうだそうだという声援を送ってくれた若い女性の集団が居ました。
ガソリンが、小麦粉が値上がりしている今、株価が上昇している今、低賃金に怒らなくていつ怒ればいいんでしょう。

お給料が上がるっていうことは、生活が安定する、向上するというだけでなく、人間の尊厳を取り戻す闘いでもあるのです。明日は立川女性総合センターアイムで18時半から集会をし、19時45分からデモ交渉をします。
この4月の賃上げ要求がしたい!労働条件なんとしたい!って考えた時、今が行動を起こす時です。一緒にデモしませんか?飛び入り参加自由です。
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2013年03月05日

この職場にはあなたの仕事ありません?!という人を精神的に追いつめる退職勧奨のやり方 責任と裁量

パワーハラスメントや退職干渉の相談のほとんどが、人格攻撃を伴うので、相談にいらっしゃる方でうつ病を発症しているかたがたくさんいます。そんなパワーハラスメントの話を聞いていると、会社ぐるみのパワーハラスメントのやり方が巧妙になっているといいましょうか。計画的に、システム的に労働者を追い詰める、まるで蜘蛛の巣のようにそこに落ちた労働者をがんじがらめにして、退職まで追い詰める手法が取られていて、唖然とする事があります。会社側の弁護士さんとか、プロの方が集まって作り上げたシステムなのでしょうね。金儲けのために人は残酷になれるんだな〜と、悲しくなります。

先週木曜日に日本ヒューレットパッカード分会の団体交渉がありました。ヒューレットパッカードには、WFR(人員再配置プログラム)というものがあります。これはどういうものかというと、「あなたに頼める仕事が無いので、自分で社内に使ってくれる部署を見つけてください。それが出来なければ、社外で使ってくれるところを探してください」というものです。有り体に言えば退職干渉です。社内で自分で居場所を探すといっても、人事権は会社にありますから、自分が所属しようと思った部署に断られたらそれで終わりです。その次には「社外に仕事を見つける選択=退職するまで仕事を探せ無いあなたが悪い」と責められます。このWFRは、グローバル、つまりアメリカ本社でアジア、日本の対象人数が割り振られ実行されます。「何で自分がこんな目に」、と思っているうちに夜寝れなくなって、辛くなって病気にさせられてしまいます。では退職すれば良いのかというと、退職後の生活はどうなるのかという不安が襲います。
こんなWFRに私たち組合は「no」という声をあげています。

それで木曜日の日本ヒューレットパッカードの団体交渉です。Aという部署から追い出した労働者に自分で所属部署を探せというのではなく,会社側の団交責任者である人事部が責任を持って人員配置を決めるべきだと組合は言いました。すると、人事部には人事権が無いと会社側は言い出しました。人事権は各部署にあるとか。

人事権のある人たちと団体交渉をしなければ,解雇,退職勧奨,労働災害の責任を取ってもらう事が出来ません。そうなると,これからは組合員一人一人の所属部長に団体交渉に出て来てもらって団体交渉をすること荷なるのでしょうか。・・・・

今,ヒューレットパッカードの団体交渉は会社側出席者6人位対組合側出席者7人位で行っています。ここに、各部署の責任者が出席し,となると,何人の団体交渉になるんでしょうか。そして,団体交渉責任者は誰になるのか。

会社側が作り出して「新しい」労務政策のまとっている様々な衣を剥がして行く事で,この問題の解決に近づけるのではないか,と考えています。責任と裁量,決定権の幅と重さがアンバランスになっている時には,その後ろに「嘘」が隠されているからです。
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2013年03月04日

人間らしい生活を求めて グリーンサービス不当労働行為事件

ここのところずっと、事務所の引っ越しが一段落してからこのかた、時間があるとグリーンサービス不当労働行為事件の最終陳述書を書いています。この土日もずっと書いてました。明日提出なので、今日は最終確認中です。

グリーンサービスというのは、雪印メグミルクの子会社で、殺菌乳を運んでいる会社です。大企業のグループ会社ですがら、それなりの労働条件でもいい・・・筈。なんですが。

最終陳述書を書くにあたり、会社側の証人尋問での発言をまとめて行くと、どうも、労働基準法を守ってほしいと組合が言った事が、この不当労働行為の発生原因なんですね。「労働基準法を守ってもらいたい」という言葉。この言葉を噛み砕くと、「『人たるに値する生活をいとなむための必要を充たす』(労働基準法第1条1項)為に『労働条件の最低の基準』(労働基準法第1条2項)を守って欲しい」という言葉になります。こう書くと、なんて涙ぐましい、けなげな言葉なんでしょう!

大企業のグループ子会社でありながら、人間らしい生活を求める事がとても大変な事だなんて。どっかおかしいですよね。

さて、あともうひと頑張りです。
労働組合を作って頑張った人がちゃんと報われるようにする、それが私のお仕事。
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2013年02月24日

産業医の先生達へのお願い

 私がこの仕事を始める前。仕事で腰痛になって、労働災害申請をしました。この当時、「産業医」制度は大企業の事で、中小企業(とりあえず上場企業でしたが)で労災申請した私には無縁のものでした。それでも、その頃、1980年代は産業医をめぐる係争がNTT(当時は電電公社)を始めとして繰り広げられていました。当時の労働者側の訴えは、「医師選択の自由」でした。一言で言えば、自分が選んだ医師に自分の疾病の治療及び診断をしてもらう自由が有るという事です。
 産業医というのは、企業が対価を払って契約し、その企業の労働者の健康管理を行う医師です。労働安全衛生法では常時50人以上の労働者を使用する事業場につき選任が命じられています。平成8年の法改正時には、産業医から事業主に対する勧告権も新設されました。
 ここで、主治医の判断と、産業医の判断が問題になるのは、「休職後の職場復帰」「疾病のある労働者の配置転換」等です。主治医の先生は、患者の訴えを聞き、患者にとって最善の方法を選択します。私達が日常考えるお医者さんのあるべき姿です。ですので、主治医の先生の意見や判断は大方の患者さんにとって理解出来るもので、なおかつ、そのとおりにすれば症状も軽くなる事が期待できる、いわば希望みたいなものです。
 ところが、産業医の先生は会社に雇われています。弁護士さんも、社労士さんもそうですけれど、会社に雇われると、会社の意向に添う発言が行われる傾向がとても多くなります。これが本当に困りものです。

 最近私は2件の事案で産業医面談に立ち会いました。私が産業医面談に立会う理由は二つあります。一つは、団体交渉で会社側に産業医の判断をねつ造させないためです。もう一つは、産業医面談の場で、労働者が退職を決意するほど追いつめられる場合がありますから、労働者を追いつめさせないためです。今回立会いをした2件は、一件が職場復帰の判断、もう一件が腱鞘炎を悪化させる配置転換か否かの判断でした。1回目の立ち会いの際、どちらも共通していたのは、専門医でないということでした。専門医の主治医の先生の判断を、専門外の先生が覆せるのか?という疑問がわきました。また、更に共通していたのは、産業医が会社の意向を代弁するために苦労していた事です。職場復帰の件では、産業医は「突然死の可能性が0%ではない」と言いました。変な脅し文句です。配置転換の件では「悪化するかどうかはやってみなければわからない」と全く無責任な発言をしました。

そもそも、産業医の先生は労働者の安全管理のために、選任されるべきものなのです。労働者の立場というのは、医師からみたら患者の立場に経つという事だとおもうのですが、会社=クライアントの立場にたってしまうので、患者に強いストレスを与える存在になってしまうのです。これは医療とは逆ですよね。

実際に自律神経失調症で休職中に産業医から「病気でなく甘えだ」といわれて病状が悪化した労働者が産業医を提訴した事件(大阪地裁平成23年 10月25日判決)では、産業医に損害賠償請求を裁判所は命じています。他にも産業医が訴えられている事件いくつもあります。

専門外の産業医が専門の主治医の下した判断を覆す事がどうしてできるのか、診察行為も何もしていない産業医が、診察行為をしている主治医の判断を何故覆す事ができるのか、そしてそもそも、医療というものは患者に沿うべきものではないのでしょうか?
産業医の先生が、会社と一体になって、会社の思いどおりにいかない労働者を排除しようとされるのを今回続けて目の当りにし、ちょっと憤慨やるせない思いです。
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2013年02月07日

生活保護と最低賃金と賃上げと

自民党安倍内閣は生活保護費を削減すると言っています。このブログのコメントにも以前、生活保護に対する批判の書き込みがありました。
弱い者がさらに弱いものを叩くのは、悲しい!!
職場でも経営者は労働者同士を競争させて利益を得ていますが、社会でも弱い者に更に弱いものを叩かせて、お金持ちは安泰です。

私は民主党支持ではありませんが、民主党政権下で良かった事の一つは最低賃金が徐々に上がった事でした。最低賃金が全国の加重平均で12円引き上げられ、生活保護費よりも安く最低賃金が設定されていた11都道府県のうち、青森、埼玉、千葉、京都、兵庫の5県で最低賃金のほうが生活保護費を上回るようになりました。最低賃金が生活保護費を上回るようになったといっても、一番安い島根県、高知県の最低賃金は652円ですし、一番高い東京は850円です。そして全国平均は749円です。生活保護費よりも最低賃金が高くなって良かった、というよりもそれで人間らしい生活が出来ますか?とまず問わないといけない金額です。憲法25条に定めらた「健康で文化的な最低限度の生活を営む権利」これが保証されますか?という問いかけです。

生活保護費が、憲法25条で定められた最低限度の生活を営む権利の最低ラインなのです。
この最低ラインが引き下げられるという事は、昨年度、最低賃金がまだ生活保護費より低いままに留まった6県の最低賃金の引き上げが放置される恐れすら発生してます。反対に、生活保護費という、健康で文化的な最低限度の生活の保証金額が上がる事で、最低賃金も引き上げられるものなのです。

昨年よく宣伝された、「働くよりも、働かないで生活保護もらって得している人がおかしい」というキャンペーンは、労働者の賃金も低いままに押さえるぞ!という声に連なります。
自分の賃金が最低賃金に達していないのでは?という相談を昨今受けるようになっています。
また、これから始まる春闘、賃上げ時期。
入社して10年近く一回も賃金が上がっていないから春闘なんて関係ないよ、という声も聞こえてきます。

低賃金労働を無くすためには、生活保護費のラインをあげる事、最低賃金のラインが上がる事がとても大切です。
そのためには、まず、自分の身近な所から声をあげていきましょう。

能力によって給与が上がると言われている会社であっても、そもそもの給与ライン、ベースについてどのように設計するのか、労働者の声が反映出来るものにするためにあるのが、労働組合であり、団体交渉です。
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2013年01月17日

今週土曜日1月19日は当組合の旗開きです。

今年初めてのブログです。
今年もよろしくお願いします。
昨年は派遣法の期待はずれの改正、有期雇用契約のこれまた期待はずれの改正と続きました。
2008年の年末派遣村の後、少しは労働者に良い形で好転するかに見えた労働力政策は結局微かな前進に止まってしまいました。昨年末に自民党が大勝し、憲法改悪すらも意気込む、労働の苦労も貧乏の苦労も知らない、ネット右翼の首相のもと、今年の労働者の生活はどのようになってしまうのでしょうか。とても暗澹たる気持ちです。

でも、だから、こんな時こそ労働組合の力です。

私達の労働組合は、労働者の少ない賃金の中から集める組合費で運営されています。国や自治体や、経営者などの、どこからも援助をもらいません。自分たちの力で、自分たちの財源で運営しています。
ですから、いつも金銭的に厳しい。そして、労働者の賃金が長く低賃金に抑えられている現在はとってもたいへん。
だけれど、だからこそ、ここで小さくなっていても仕方が無いので、今年は1月早々、組合事務所の引っ越しを行い気分一新です。

ことしは頑張るぞ!という気持ちを込めて、「旗開き」という労働組合にとっての新年会を1月19日、今週土曜日に国分寺Lホールで開催します。
旗開きというのは、組合の旗を、今年初めて開くという意味です。
労働組合の旗というのは、団結の象徴です。象徴、という抽象的な概念で、見えない人と人との労働組合の力の源となる「きずな」を確認します。
今年も一緒に、労働条件の向上、権利の向上、そして、労働者の地位の向上に向けて頑張りましょう!!
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2012年11月12日

東京都労働委員会 実効確保の勧告

facebookに私の働く全労協全国一般東京労組東京労働組合三多摩地域支部の公式ページhttp://www.facebook.com/zsantamaを作成しました。ホームページのリニューアルといい、この手の作業はどうしても労働委員会の書類作成など、期日の決まっているものの後回しになってしまう傾向があります。労働組合運動、しかも、個人で加入出来る地域労組という極めてマイナーだけれども、会社の息のかかった労働組合とは全く違う性格の労働組合をいろんな人に知ってもらうための事に、もっと時間を使わないと本当はいけないですよね。


バタバタと過ぎる毎日の中で、一週間前の事はもう旧聞に属する事ですけれど、先週の火曜日は西武バスの東京都労働委員会と中央労働委員会がありました。本当はこの日の労働委員会は、東京都(一審)も中央(2審)も和解のための期日でした。でも組合としては、和解の前にやらなければならない事がありました。

というのは、中央労働委員会で和解を進めようとしているにも関わらず!、組合が労働委員会で審問につかった証拠書類を「会社の資料の不正持ち出し」だと言いだして組合員を処分すると脅してきたからです。労働委員会に出した証拠書類を理由として処分を行う事は労働組合法第7条4項違反の「報復的不当労働行為」なのですが、何を焦っているのか、不当労働行為を重ねようとしたのでした。そこで、私達組合は、東京都労働委員会に「実効確保の勧告申立」を出しました。これは、せっかく労働委員会で不当労働行為の救済命令を出しても、それを無にするような事を会社が行っては救済命令の意味を無くするので、労働委員会の審査の途中であっても、勧告を行うという手続きです。

そこで、先週火曜日の労働委員会では、「実効確保の勧告申立」によって、労働委員会から「勧告」を出してもらう事が和解よりも何よりも優先されたのです。
結果、3者委員(労働側委員、公益委員、使用者側委員)から「新たな紛争が発生しないよう努力してもらいたい」との勧告を先週火曜日の期日の中で出してもらう事が出来ました。

労働側委員が、「たくさん弁護士がついているのに、何で労働組合法7条4項違反なんかするのかねえ」と驚いていました。もし、弁護士さんや会社が法的に負けても組合員を脅せばいいと考えているとしたら、それはコンプライアンスを説く資格すらない会社であり、弁護士さんだということになってしまいます。


私達は、今後は不当労働行為を起こさないと誓ってくれる会社と、和解したいものです。
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2012年10月26日

「助け合う事」の学習 〜労働組合の基本〜

先週の土日、私は海に居ました。何度かこのブログにも書いているフリーダイビングというマイナースポーツの大会が有ったからです。
大会の様子は、Facebook http://www.facebook.com/manazuru2012 にある通りです。
この趣味の領域で、私はいままでずっと選手として出場していたのですが、今回は始めてスタッフをしました。しかも、実行委員長でした。

選手で出場、というのは自分の体調、自分のコンデション、自分の実力だけを考えて、自分が力を出し切ることだけに集中していれば良いので至福の時間です。そして選手で出続けていた私は、この至福の時間がずっと続くものだと考えていました。

ところが今年、春先に行われたシーズン前打ち合わせに欠席したもので、いきなり実行委員長をやるはめになったのです。
息を止めて海の深くまで潜るスポーツですから、安全に万全を期さなければ行けません。また、選手から申告のあった最大深度(今年は-84m)を取るために沖に船を浮かべて、スタッフ、選手を搬送しなければなりません。20名の選手に安全に、ベストなパフォーマンスで潜ってもらうためにはやらなければならない事が沢山、スタッフの数も沢山、とっても大変でしたけれどいろいろな事に気がつきました。


たった一人で深い海に潜る、それだけの事なのに、いろんな沢山の人の支えが無ければ出来ないという事です。
個人の競技なのに、個人の力で何かが出来るわけではないという事がとってもヒシヒシ感じられました。
そして、いろいろな人の力が組合わさって一つの事が出来る事がとても楽しい。
とても大変だったけど、力を合わせて何かをする事って楽しい。

そんな先週末が終わり、日常の労働組合のお仕事に追いまくられて、今日は支部の執行委員会。
来年、今後の事を考えるにあたり、私は何で労働組合のお仕事を続けて来れたのかな、と考えました。
そう、いろんな人に助けてもらって、今があったのです。

私がこの仕事を始めたばかりの事、三多摩支部は本当に小さな組合で(今も小さいですけれど、もっともっとという意味)事務所も無く、口座も無く、組合員も20〜30人くらいだったのでしょうか。当然、自分の賃金が出せる状態にも有りませんでした。
そんな時、国労立川地区協議会の事務所の一角に三多摩全労協の机を置かしてくれた当時の国労八王子支部委員長。手弁当で、しかもしょっちゅう費用負担をして手伝ってくれた、前の支部委員長。
いろんな人が助けてくれたから、私も弱い立場の人、困っている人を助けようと奮闘する事が出来ました。

人を助ける、というのは、実は、自分が助けられた経験、思いがとっても大事なんですね。当然自分が助けられた事を忘れない事はいうまでも有りません。

助け合う事を、様々な場面で学習する事。きっそその積み重ねで、必要とされる労働組合が作られて行くのだと思います。
助けられる役割は、助ける役割につながり、続いく事を信じて、私たちの組合を訪ねて来た方のサポートを頑張りましょう!

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2012年09月26日

子会社解散の親会社の団体交渉応諾義務 JUKI事件都労委勝利命令勝ち取りました

昨日、JUKI事件の都労委命令が交付されました。読売新聞に記事が出ましたので、ご覧下さい。http://www.yomiuri.co.jp/national/news/20120925-OYT1T00801.htm

平成20年6月に申立した事件ですので、かれこれ4年以上も命令が出なかった、とっても待たされた事件でした。
でも、とにかく勝利命令。
早く勝利命令がでる事は、不当労働行為を防ぐためにはとても必要ですが、本件は解雇事件。そして当該は、粘る性格。待たされましたが、勝てた事が何よりでした。

しかも、しかも、です。今回のこのJUKI事件、会社分割法により不採算部門を子会社に分割した後に、経営不審を理由に会社解散し、希望退職に応じなかった当該1名を解雇したという事件です。今回の事件のJUKIの場合の、不採算部門とは家庭用ミシンの訪問販売部門でした。世の中の変遷で、売れなくなる商品や、受け入れなくなる販売方法というものはそれはどこでもあります。そんな世の中の動きを見ながら、労働者を大切にしつつ舵切りをするのが経営であると思うのですが、外資が参入しているJUKIは、要らなくなった部門を労働者毎別会社にし、使い捨て、そのあげく、子会社は別会社だから雇用責任も無いし、団体交渉応諾義務もないと主張して、自らの株価を上げてきました。

この手法は、会社分割法が出来る時に危惧していたやり方でした。
簡単に会社が分割出来ると、こんな事が起きてしまうのではないかと。
JUKIでも、会社分割法の定める通り、労働者の同意をとって分割はしました。けれども、会社を信用し尽くしている労働者は、まさか解雇につながる「同意」だとは思わず同意してしまった事から、今日に至ります。

そこで今回の労働委員会の判断です。
まず、一般論としての理屈です。
「労働組合法第7条の使用者とは、労働組合法が助成しようとする団体交渉を中心とする集団的労使関係の一方当事者としての使用者を意味し、労働契約上の雇用主が基本的にはこれに該当するものの、雇用主以外の事業主であっても、親会社として、その株式所有、役員の派遣、受注関係等を通じて子会社の経営を支配し、子会社の労働者の基本的な労働条件について、単なる株主としての地位を超えて、雇用主と同視できる程度に現実的かつ具体的に支配力を及ぼしている場合には、子会社と並んで当該親会社も労働組合法上の使用者に当たると解すべきである。」という事に今回のJUKIの親会社と子会社がどのように該当するかです。

労働委員会では「家庭製品社は、JUKIとは別個の経営体として自主的な管理運営をしていたというよりも、JUKIと人的、物的及び資本的に一体となり、JUKIの一事業部門と同視できるような態様でJUKIから全面的に経営上の支配を受けていたとみるのが相当である」と認定され、「JUKIは、会社分割前から訪問販売事業からの撤退を図っていたものとみられる」「家庭製品事業部は会社分割前に多額の赤字を抱えていた事、家庭製品社は会社分割後わずか10ヶ月で営業活動を停止し従業員に対し希望退職におうずるよう勧告がなされた事、家庭製品社の役員や管理職らはJUKIからの出向者であり解散後にJUKIに復帰した事に鑑みると、会社分割は、収益力及び今日労色の強化を企図して行われたというよりも、むしろ、JUKIが、使用者として責任を負うことなく、家庭製品事業部の従業員との雇用関係を解消しようとしておこなわらたものとの疑いを払拭できない」「会社分割自体が、使用者としての責任を負うことなく家庭製品事業部の従業員の雇用関係を解消する目的でおこなわれたものとの疑いを払拭できない」と認定され「JUKIは労働組合法第7条の使用者に当たり、組合の求める大宮の雇用保障を議題とする団体交渉に応ずべき立場にある」と判断され、救済命令が出されました。

会社を分割して不採算となった部門を一掃するような乱暴な労務政策に対して、そのことを考え実行した親会社に責任を追求する大きな意味のある命令となりました。

この命令を受けて、早速、団体交渉申入れを行います。IMG_1211.jpg



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2012年09月25日

雇用主、職種の異なる労働者の団結

今週末に三多摩支部の合宿をします。
私たちのような、個人加入が出来る合同労組の場合、常日頃は違う雇用主のもと、違う仕事を、違う場所でしています。雇用関係においてもみんな違っています。職場での立場も千差万別です。職種や仕事が違うだけではありません。
 職場で一人ぼっちで、解雇されてしまった人、退職勧奨で追いやられた人から、職場の過半数占める仲間と団結する事ができて「分会」という形式を作っている人たちまで。
 労働組合運動を30年も経験して大概の労働組合運動の事なら他人に力を貸す事が出来る人から、組合活動の右も左もわからなくて組合役員に頼らざるを得ない人たちまで。
 労働組合についての関わり方も、考え方もそれぞれです。
私たちの組合に加入する組合員に共通する事実は、全労協全国一般東京労働組合三多摩地域支部に加入している事と、労働者である事くらいです。これは自分自身の帰属意識を労働者である事、全労協全国一般東京労働組合三多摩地域支部に加入している事に置かないと、到底まとまれない、団結までいきつけない事です。そしてこれらは抽象的すぎて難しいのです。

企業内組合の帰属意識は、大方が「会社」にあります。同じ会社に働いているから、そこの会社に働いている間は企業内組合に入る、という理解です。この理解に基づく労働組合というものは、会社に所属する、会社の下位に置かれる「機関」、第2労務部です。世の中的に評判の悪い「労働組合」はおそらくこの形態の労働組合なのでしょう。会社から支配され、労働組合から支配され、やってられない!と思わせるしろものになりがちな上、会社の価値感、倫理観をしのげない、会社が原発賛成なら労働組合も原発反対が言えない、そんな労働組合。

私たちの労働組合は形式上は会社に支配された労働組合ではありません。企業に所属する労働組合ではありません。
だからといって、企業から独立した組合だから私たちの組合を選んで入ってくる人はそれほど多くありません。多くの人たちは、会社が正当な賃金を払ってくれない、会社の残業代計算が間違っている、有給休暇が取れない、パワーハラスメントを受けている、解雇をされた、退職勧奨をされたという問題を抱え、その解決をするために様々な場所を探して、私たちの組合に行き着いてきます。
そんな訳で、私たちの労働組合に加入したからといってすぐに組合が安心出来る場所になり得るわけではありません。最初は皆この「労働組合」が「使える」物なのか、「役に立つ」道具なのか、そんな値踏みに一生懸命です。値踏みをしている間は、労働組合に加入していたも外から労働組合の評価をしているに過ぎないので、その身を守って欲しいと思っているのに、仲間ではありません。
長年労働組合の仕事をしていると、そんな労働者の「ずるさ」に、嫌気が指したり諦めたりを繰り返しつつ、仲間になれる日がくる事を気長に待つ余裕もできてきます。
人は「家族」「地域」「職場」といった身近なところから「うち」という感覚を持ち、労働組合を「うちの」労働組合という感覚になるには時間、経験、交流、いろいろな積み重ねが必要になります。

毎年繰り返している支部の合宿。私の堅苦しい性格に起因して、必ず「学習」要素を入れています。今年もちょっと、難しい事はやります。これはまあ、素材であり、頭の体操です。けれども、合宿の「核」は全労協全国一般東京労働組合三多摩地域支部を「うちの」組合として、一緒に団結を強める事、その一点にあります。
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2012年09月11日

労働基準監督署交渉

今日は、奥井組事件、宮岡運輸事件の二件の労働基準監督署残業代申告の交渉を午前中にしました。これは、所沢労働基準監督署の署として行った判断がおかしかったので、署長交渉を求めたところ、上局の労働局の判断待ちとなった事案の結論を聞きに行ったものです。
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2012年08月30日

分会大会

日曜日はある分会の第2回定期大会でした。分会結成時が第1回定期大会ですので、第2回定期大会というのは、一周年大会という事になります。
組合を立ち上げて、1年が経過するという事は、早いと言ってよいのか、よくぞ1年というべきか、どちらもありですよね。
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2012年07月30日

元労働基準監督署署長に聞く「労働基準監督署」のお仕事

先週金曜日の夜は支部交流会でした。「労働基準監督署の事件捜査事例」として元労働基準監督署の署長、現森井労務法務事務所所長の森井博子さんからお話を伺いました。この企画をした当初、森井博子さんの経歴に元青梅労働基準監督署署長と記載されているのを拝見し、「きっとあの、青梅市の福祉施設サービス残業事件で理事長を労働基準法違反で逮捕したときの署長に違いない」と期待の入り交じった声が支部役員の中から出されました。お話を伺うとやはり、そのときの署長さんでした。あの事件、労働基準監督署が正義の味方に思え、拍手喝采を送ったものです。

 あれから数年、悪質な残業代未払いの相談は数多くうけ、告訴もいくつかしていますが、なかなか胸のすくような監督署の仕事に出会えません。何故?と思う気持ちに答えが有りました。

 逮捕まで至らないものの、検察に送検という「司法処理」が行われている件数は年間1100件程で、最近は減ってきているとの事です。それは、職員の過重労働が有るとの事です。

思いあたる事が有ります。1昨年、町田の労働基準監督署に告訴した時の事が思い出されました。町田では労働基準監督官が1名しか居ませんでした。

講演では、青梅の労働基準監督署でも対応に出れる監督官は6人くらい、立川でも10人くらいということで、実況検分に3人で集まって行く事もなかなか大変だと言う事でした。

労働基準監督署の入り口で相談員の方がなかなか監督官につなごうとしないのも、この労働基準監督署の過重労働のせい。
国を挙げて労働基準法違反を無くそうとしなければ、労働者救済という「正義」のために頑張れる資質を持つ監督官の個人的な頑張り頼みとなってしまうのです。

労働組合のお仕事も、良いお仕事が出来るかどうかは、組合役員の資質と頑張り次第というお寒い現状は有ります。
でも、それを乗り越える為に、組織的に良いお仕事ができる仕組みづくりを私たちはそれなりに真剣に考え、試行錯誤しています。

今の日本に、政治が変わらなければ如何ともし難いことの何と多い事でしょう。
それでも一つづつ、労働基準監督署で良いお仕事をしてもらう為には、労働組合の粘り強い交渉が大切です。
8月6日には、宮岡運輸事件と奥井組事件のより良い解決を目指して、所沢労働基準監督署の署長交渉をします。

 

 



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2012年07月07日

長距離トラック運転労働者の労働時間計算

長距離大型特殊トラックの運転をしている奥井組の残業代交渉は、2010年8月の分会結成時の要求から始まり、すでに2年近くが経過しています。けれども、まだ解決していません。割増賃金交渉は、時効との闘いでも有るので、サクサクと訴訟をすることも多い課題です。けれども何故、奥井組では交渉が長期化しているのかというと、会社側が支払い意思を示しているにも関わらず、出し渋り、紆余曲折を重ねていると、1言にまとめるとそんな理由です。

分析をするとさらに色々と出てきます。
会社側の初期の間違  @労働基準法通りの計算を理解していた社会保険労務士を解任した事。
        A歩合給が「固定残業代」とはなり得ない事を、どんな判例を読んでも理解しなかった事。
        B法令遵守=仕事が成り立たないと思い込みすぎた事。

そんな事が有って、組合が労働基準監督署に申告した事を受けて、会社側もある程度のまとまった金額の未払いを認めました。
私たちとしても、細かい話を言うよりも、会社側が認める金額と折り合いを付けようと、和解に乗り出しました。

ところが、会社側の「組合を認めたくない」「労使対等の原則なんか認めない」という姿勢が強く、和解は暗礁に乗り上げました。
「陸運局」対策で、改ざんしたという日報問題の謝罪も一向にしようとしません。

そこで、私も、仕方ないので、会社の残業代計算を確認するという作業に入りました。
すると、会社がまだまた労働基準法を理解していない、労働者の労働時間をダンピングしている事実が最初の1日目から明らかになりました。どういう事かというと、次の点です。まだ3日分のチェックしかしていませんが、一体どういうこと??と怒りを感じてしまいます。

最初に書いたように、奥井組が運んでいるものは種子島宇宙センターに運ぶロケット部材とか、水道局に運ぶ水道管とか、道路も時間も選ばなければならない、大きなもので、それを遠くは韓国までも運んでいる会社です。安全運転が第1となる事、その為の安全点検作業は書かす事が出来ない仕事、という事が前提です。

現在の会社側の労働時間カウントの間違い
  @タイムカードを押した後、アルコールチェック、安全点検、点呼と続けて、そんなに時間をおかずにトラックに乗車して出て行きます。ところが、奥井組ではタイムカード打刻時刻よりも3分後を始業時間としてカウントしているのです。この3分というのは何?タイムカード押した後に休憩しているって意味でしょうか?そんな事して運転手さん達にメリット有るのでしょうか?1日3分でも365日で18時間15分・・。セコいダンピングです。
  Aトラック運転労働者の場合、休息を家で取る場合も、外の休息出来る施設で取る場合も、どちらも有ります。ただし、休息である以上、8時間以上である必要、8時間取れない時でも4時間+6時間=10時間以上の必要がある事は、厚生労働省の「トラック労働者の労働時間の改善ポイント」にも明らかです。連続労働時間であれば、8時間を超えて24時間後までは、全て1.25倍払わなければならないのに、休息時間関係なく、1日が終わった事にして、残業時間をゼロカウントにしてしまっているのです。
 Bトラックに限らず、道路を走る営業の車は、車を止めて休息時間、休憩時間に入る前に、車止めなどの作業が有りますし、休息・休憩時間から運転を開始する際に安全点検、荷崩れ防止チェック、アルコールチェックなどの安全確認作業が入るので、エンジン止めた時間が全て休憩休息時間とはなりません。ところが、エンジン止めて直ちに休憩時間、エンジンかけた時間からが労働時間のカウントになっているのです。
 ほかにもまだまだ出てきそうです。

 明日は、いよいよ訴訟開始に向けて、会社のカウントの仕方間違いのチェックと、それぞれの正しく計算した残業代の計算作業に入ります。

 労働時間が正しく把握され、正しく賃金が払われて始めて安全運転、健康も守られます。
 どんなわかりにく賃金計算をしている会社でも、歩合給の会社でも、労働基準法の物差しを当てて行く事は出来ます。
 自分の働き方に不安が有りましたら、是非、相談してください。
 



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